センカクモグラ(読み)せんかくもぐら

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

センカクモグラ
せんかくもぐら
[学]Nesoscaptor uchidai

1991年3月、新属新種と発表されたモグラ。1979年の春、魚釣島(尖閣(せんかく)諸島)の学術調査に加わった九州大学助教授(当時。現在は教授)の白石哲は、島には穴を掘れる土壌がないためモグラはいないと思っていたが、突然キャンプのそばを歩いているモグラを発見、標本として持ち帰り「タカサゴモグラ(台湾産)の近似種」と報告した。この標本(メス・体長13センチメートル)は1989年12月に北海道大学助教授の阿部永のもとに送られ、徹底的な調査の結果、新属新種とされた。決め手のひとつは、世界のどのモグラよりも歯の数が少なく38本しかないこと。これは魚釣島の環境に適応の結果だろうという。日本での哺乳類の新属新種の発見は1965年のイリオモテヤマネコ以来のことである。[永戸豊野]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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