デジタル大辞泉
「尖閣諸島」の意味・読み・例文・類語
せんかく‐しょとう〔‐シヨタウ〕【尖閣諸島】
沖縄県、八重山諸島の北方にある諸島。石垣市に属する。魚釣島・北小島・南小島・久場島(黄尾嶼とも)・大正島(赤尾嶼とも)などの無人島からなる。
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尖閣諸島
沖縄本島の西約400キロの東シナ海にある無人島群。沖縄県石垣市に属する。中国大陸までは約330キロ。1895年に日本領に編入され、かつて200人以上の日本人が暮らしていた。周辺海域で石油資源埋蔵の可能性が指摘され、中国が1970年代から領有権の主張を始めた。日本は2012年9月、尖閣諸島のうち魚釣島など3島を国有化した。
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せんかく‐しょとう‥ショタウ【尖閣諸島】
- 沖縄県石垣市に属する八重山諸島北方の島々。魚釣島を最大とし、南小島・北小島・久場(くば)島などからなる。全島無人。付近に海底油田の存在が推定されている。中国も領有を主張。尖頭諸島。釣魚嶼(ちょうぎょしょ)。
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尖閣諸島
せんかくしよとう
石垣島の北方約一五〇キロ、北緯二五度四四分―五六分、東経一二三度三〇分―一二四度三四分の間に点在する島嶼群。石垣市登野城に所属。魚釣島・北小島・南小島・久場島(黄尾嶼)・大正島(赤尾嶼・久米赤島)の無人の五島と、沖の北岩・沖の南岩・飛瀬の三岩礁からなる。最西端の魚釣島は台湾の東北東約一七〇キロに位置し、魚釣島から最東端の大正島までは約一〇八キロ離れている。総面積約六・三平方キロで、富士五湖の一つ山中湖を少し小さくした面積に相当する。島の周辺は黒潮が流れて海流が激しいが、好漁場となっている。地質構造的には琉球列島(琉球弧)とは沖縄トラフ(海盆)によって隔てられた、東シナ海の大陸棚外縁上に位置する孤島群である。地質的には西表島(竹富町)の八重山層群と同じ中新世の砂岩層が大半の魚釣島層と、中新世―鮮新世の閃緑岩質ひん岩類を基盤としている。ただし、久場島だけは第四紀更新世に噴出した玄武岩の火山島で、台湾島と連続する火山脈と考えられる。
八重山では魚釣島・久場島周辺を俗にイーグン・クバシマといい、イーグンは魚釣島を、クバシマは久場島をさした。尖閣諸島は琉球と中国福州との間の進貢船・冊封船のルート上に位置しており、各島とも古くから航海上の標識となってきた。中国では魚釣島を釣魚台・釣魚嶼、久場島を黄尾嶼、大正島を赤尾嶼とよんでいた。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
尖閣諸島【せんかくしょとう】
琉球諸島のうち,西表(いりおもて)島の北方約160kmに点在する無人の小島群。尖閣列島とも。いずれも第三紀層を貫いて噴出した火山島で,最大の魚釣島(3.82km2)のほか久場島(黄尾(こうび)礁),大正島(赤尾礁),南小島,北小島(尖閣5島)などがあり,沖縄県石垣市に属する。海鳥が生息,付近はカツオの好漁場。同諸島周辺海域を含む大陸棚の海底資源開発をめぐり,中国は同諸島の領有権を主張しているが,日本政府は同地域に〈領土問題〉は存在しないという立場で一貫している。日本が実効支配しており,2002年政府は魚釣島(中国名・釣魚島)など3島の民有地を借り上げ,また2005年には魚釣島の灯台を国有財産とすると発表した。中国は同諸島を含む東シナ海を,国家核心利益と位置づけ中国の空海軍が示威(じい)行為とみられる行為を繰り返し,緊張が高まった。2010年9月7日,日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船の退去命令を無視し体当たりして逃走を図る事件が起きた。海上保安庁は,中国漁船長を逮捕し,同船および船員も石垣島に回航され事情聴取を受けた(船長を除く船員は釈放帰国,同船も返還)。船長の送検・拘留をめぐって中国政府は日本に強硬な抗議を繰り返し,外交問題に発展,さまざまな対抗・報復措置を発動,中国国内でも反日デモが組織され,反日デモには〈琉球奪還〉という過激なスローガンを掲げるものまで現れた。9月24日那覇地方検察庁は船長を処分保留で釈放,25日未明帰国した。2012年4月,石原慎太郎東京都知事(当時)が,同島を東京都が地権者から購入する計画を発表,東京都尖閣諸島寄付金募集を開始し民主党・野田政権の態度表明を迫った。2012年9月野田政権は国が同諸島を地権者から購入し国有化することを決定,藤村官房長官は〈第三者が購入することにより,平穏かつ安定的な維持管理ができなくなくなるからである〉として国有化の理由を説明した。しかし,日本政府の国有化決定に中国政府は猛烈に反発,各地で大規模な反日デモが起こるなど,日中国交正常化以降最悪といわれる日中の緊張状態が現出した。以後尖閣諸島水域の領海や接続水域に監視船など中国公船の出入りを繰り返す事態を続け,2015年4月段階でも同様の状態が続いている。2013年5月,中国共産党機関誌《人民日報》は,〈琉球の帰属問題は歴史的に未解決,再び議論できるときが来た〉,〈琉球王国は明・清朝に朝貢していた中国の属国(実際は両属)〉,〈これを傍証とすれば魚釣島は中国固有の領土〉と主張する中国社会科学院の研究者による論文を掲載,日本による沖縄の領有そのものを否定する見解を発表した。中国政府は表向きは学者の意見発表は自由,としているが,中国共産党内に中国の領土的主張の範囲が大清帝国への帰属関係までをも含むものとする見解があることを示しており,国際的に注目された。同じく同島の領有を主張してきた台湾は,日台漁業協定交渉を優先させ,中国とは異なる対応を見せている。米国政府は領土問題に関しては中立を表明しつつ,同島が日米安保協定の範囲に含まれることを再々表明し,中国の行動を牽制(けんせい)している。しかし,米国は沖縄返還以降も今日に至るまで,久場島,大正島を米軍射爆場として排他的管理の下に置いたままであり,そもそも〈領土問題に関して中立の立場〉でないことは明らかである。→領土問題/尖閣ビデオ問題/白樺ガス田
→関連項目アジア|安倍晋三|石垣[市]|石原慎太郎|王毅|菅直人内閣|漁業|河野談話|先島諸島|東シナ海|村山談話|レアアース
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尖閣諸島 (せんかくしょとう)
沖縄県,八重山列島の北約160km,北緯26°,東経124°付近にある島群。石垣市に属する。魚釣(うおつり)島,黄尾嶼(こうびしよ)(久場(くば)島),赤尾嶼(せきびしよ)(大正島),北小島,南小島の無人島と,沖ノ北岩,沖ノ南岩,飛瀬(とびせ)などの若干の岩礁を含み,全島が火成岩からなる。1895年に沖縄県に編入され,1900年諸島の調査を行った沖縄師範教諭の黒岩恒(ひさし)(1858-1930)によって尖閣と命名された。
魚釣島は諸島中西端に位置し,釣魚台(ちようぎよだい),和平山とも呼ばれ,面積3.8km2,周囲9.68km,最高標高363mで,諸島のなかで第一の島である。隆起サンゴ礁,角セン石安山岩,礫質(れきしつ)砂岩からなる火山島で,南側は断崖で北側へ緩傾斜をなす。1884年ころから諸島を探検していた古賀辰四郎(1856-1918)は96年に諸島開拓の認可を受け,群生する海鳥類の糞と羽毛の採集を行い,また,カツオのシーズンには鰹節製造も行った。黄尾嶼は魚釣島の北東約28kmにあり,コバ,胡馬,ヨコンとも呼ばれた。溶岩からなる火山島で,周囲は断崖をなし,面積0.87km2,周囲3.54km,最高標高は118mの千歳山である。赤尾嶼は八重山列島の北北西約150kmにあり,諸島中東端に位置する。溶岩からなり,面積0.05km2,周囲0.98km,最高標高81mで,周囲は断崖をなす。南小島は魚釣島の東北東約15kmに位置し,面積0.46km2,最高標高148mである。北小島は南小島のすぐ北に位置し,面積0.31km2,最高標高129mで,クロアジサシが群生する。北小島と南小島はあわせて鳥島ともいわれ,大正の中ごろまで古賀辰四郎が鰹節工場を操業していた。
各島とも古くから航海上の目標となってきた。黄尾嶼と赤尾嶼は現在,在日アメリカ軍が射爆撃場として利用。島の周辺は黒潮の支流が流れて海流が激しいが,好漁場となっている。
執筆者:堂前 亮平
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尖閣諸島
せんかくしょとう
沖縄県石垣市に属し、八重山列島北方の東シナ海中にある。主島の魚釣(うおつり)島(面積3.82平方キロメートル、中国名は釣魚島(ちょうぎょとう)または釣魚台(ちょうぎょだい))、北小島(面積0.31平方キロメートル)および南小島(面積0.4平方キロメートル)を含むグループと、それよりやや北の久場(くば)島(面積0.91平方キロメートル、黄尾嶼(こうびしょ))と、東へ離れた大正島(面積0.06平方キロメートル、赤尾嶼(せきびしょ))とからなるが、いずれも無人島である。1895年(明治28)に閣議決定に基づき日本領に編入する措置がとられたあと、民間人に払い下げられ、魚釣島を中心に羽毛採取やかつお節製造等の事業が一時活発に営まれた。第二次世界大戦後、尖閣諸島は南西諸島の一部としてアメリカの施政権下に置かれたが、1972年(昭和47)沖縄の返還に伴って日本領土に復帰した。ところが、1968年に行われたエカフェ(ECAFE。国連アジア太平洋経済社会委員会)など各種調査団の資源調査の結果、周辺の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性のあることが指摘されてから、尖閣諸島は俄然(がぜん)中国側の関心をひくことになり、1971年以来、中国と台湾の双方が自国領であると主張している。中国による領有権主張の根拠は、中国・琉球(りゅうきゅう)間の航海に関する16世紀以来の文献に、尖閣諸島が記述されていることにあるが、日本は、これらの文献によっても尖閣は航路の目標にされたにすぎないから、1895年の日本の措置は国際法上有効な先占の行為であると反論している。また、「対日平和条約で日本が放棄した台湾」には、尖閣は含まれていない。2012年(平成24)9月11日、日本政府は地権者から魚釣島、北小島、南小島を購入、3島は国有化された。
[太寿堂鼎・広部和也]
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尖閣諸島
せんかくしょとう
沖縄県,沖縄島西方約 400kmの東シナ海に浮かぶ小島群。無人島で,沖縄県石垣市に属する。魚釣島,北小島,南小島,久場島(黄尾嶼〈こうびしょ〉),大正島(赤尾嶼〈せきびしょ〉)の五つの島と三つの岩礁からなる。総面積 5.53km2。魚釣島が最大で,面積 3.81km2。新第三紀層を貫いて噴火した火山島。近海はカツオの好漁場で,漁期には季節移住者による漁業が行なわれる。1960年代末に国連アジア極東経済委員会が,周辺の大陸棚に有望な石油埋蔵があると推論したのを契機に,1970年代に中国が島の領有権を主張した。
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