尖閣諸島(読み)せんかくしょとう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

尖閣諸島
せんかくしょとう

沖縄県沖縄島西方約 400kmの東シナ海に浮かぶ小島群。無人島で,沖縄県石垣市に属する。魚釣島,北小島,南小島,久場島黄尾嶼〈こうびしょ〉),大正島赤尾嶼〈せきびしょ〉)の五つの島と三つの岩礁からなる。合計面積 5.50km2。魚釣島が最大で,面積 3.82km2新第三紀層を貫いて噴火した火山島。近海はカツオの好漁場で,漁期には季節移住者による漁業が行なわれる。1960年代末に国連アジア極東経済委員会が,周辺の大陸棚に有望な石油埋蔵があると推論したのを契機として,1970年代に中国が島の領有権を主張した。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

尖閣諸島

沖縄県石垣島の北約170キロに位置し、魚釣島など5島と岩礁群からなる無人島。日中それぞれ領有権を主張している。政府は02年度から3島の賃借契約を地権者と結び年間2450万円を支払ってきた。野田政権が今年9月に20億5千万円で購入し、所有権を国に移した。

(2012-12-11 朝日新聞 朝刊 宮城全県 2地方)

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デジタル大辞泉の解説

せんかく‐しょとう〔‐シヨタウ〕【尖閣諸島】

沖縄県、八重山諸島北方にある諸島。石垣市に属する。魚釣島(うおつりじま)・北小島(きたこじま)・南小島・久場島(黄尾嶼(こうびしょ)とも)・大正島(赤尾嶼(せきびしょ)とも)などの無人島からなる。

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百科事典マイペディアの解説

尖閣諸島【せんかくしょとう】

琉球諸島のうち,西表(いりおもて)島の北方約160kmに点在する無人の小島群。尖閣列島とも。いずれも第三紀層を貫いて噴出した火山島で,最大の魚釣島(3.82km2)のほか久場島(黄尾(こうび)礁),大正島(赤尾礁),南小島,北小島(尖閣5島)などがあり,沖縄県石垣市に属する。海鳥が生息,付近はカツオの好漁場。同諸島周辺海域を含む大陸棚の海底資源開発をめぐり,中国は同諸島の領有権を主張しているが,日本政府は同地域に〈領土問題〉は存在しないという立場で一貫している。日本が実効支配しており,2002年政府は魚釣島(中国名・釣魚島)など3島の民有地を借り上げ,また2005年には魚釣島の灯台を国有財産とすると発表した。中国は同諸島を含む東シナ海を,国家核心利益と位置づけ中国の空海軍が示威(じい)行為とみられる行為を繰り返し,緊張が高まった。2010年9月7日,日本領海内で中国漁船が海上保安庁の巡視船の退去命令を無視し体当たりして逃走を図る事件が起きた。海上保安庁は,中国漁船長を逮捕し,同船および船員も石垣島に回航され事情聴取を受けた(船長を除く船員は釈放帰国,同船も返還)。船長の送検・拘留をめぐって中国政府は日本に強硬な抗議を繰り返し,外交問題に発展,さまざまな対抗・報復措置を発動,中国国内でも反日デモが組織され,反日デモには〈琉球奪還〉という過激なスローガンを掲げるものまで現れた。9月24日那覇地方検察庁は船長を処分保留で釈放,25日未明帰国した。2012年4月,石原慎太郎東京都知事(当時)が,同島を東京都が地権者から購入する計画を発表,東京都尖閣諸島寄付金募集を開始し民主党・野田政権の態度表明を迫った。2012年9月野田政権は国が同諸島を地権者から購入し国有化することを決定,藤村官房長官は〈第三者が購入することにより,平穏かつ安定的な維持管理ができなくなくなるからである〉として国有化の理由を説明した。しかし,日本政府の国有化決定に中国政府は猛烈に反発,各地で大規模な反日デモが起こるなど,日中国交正常化以降最悪といわれる日中の緊張状態が現出した。以後尖閣諸島水域の領海接続水域に監視船など中国公船の出入りを繰り返す事態を続け,2015年4月段階でも同様の状態が続いている。2013年5月,中国共産党機関誌《人民日報》は,〈琉球の帰属問題は歴史的に未解決,再び議論できるときが来た〉,〈琉球王国は明・清朝に朝貢していた中国の属国(実際は両属)〉,〈これを傍証とすれば魚釣島は中国固有の領土〉と主張する中国社会科学院の研究者による論文を掲載,日本による沖縄の領有そのものを否定する見解を発表した。中国政府は表向きは学者の意見発表は自由,としているが,中国共産党内に中国の領土的主張の範囲が大清帝国への帰属関係までをも含むものとする見解があることを示しており,国際的に注目された。同じく同島の領有を主張してきた台湾は,日台漁業協定交渉を優先させ,中国とは異なる対応を見せている。米国政府は領土問題に関しては中立を表明しつつ,同島が日米安保協定の範囲に含まれることを再々表明し,中国の行動を牽制(けんせい)している。しかし,米国は沖縄返還以降も今日に至るまで,久場島,大正島を米軍射爆場として排他的管理の下に置いたままであり,そもそも〈領土問題に関して中立の立場〉でないことは明らかである。→領土問題尖閣ビデオ問題白樺ガス田
→関連項目アジア安倍晋三石垣[市]石原慎太郎王毅菅直人内閣漁業河野談話先島諸島東シナ海村山談話レアアース

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世界大百科事典 第2版の解説

せんかくしょとう【尖閣諸島】

沖縄県,八重山列島の北約160km,北緯26゜,東経124゜付近にある島群。石垣市に属する。魚釣(うおつり)島,黄尾嶼(こうびしょ)(久場(くば)島),赤尾嶼(せきびしょ)(大正島),北小島,南小島の無人島と,沖ノ北岩,沖ノ南岩,飛瀬(とびせ)などの若干の岩礁を含み,全島火成岩からなる。1895年に沖縄県に編入され,1900年諸島の調査を行った沖縄師範教諭の黒岩恒(ひさし)(1858‐1930)によって尖閣と命名された。

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大辞林 第三版の解説

せんかくしょとう【尖閣諸島】

沖縄県八重山諸島の北方にある小島群。石垣市に所属。魚釣うおつり島を主島として、全島が無人島。付近の大陸棚には油田の存在が推定されている。中国も領有権を主張している。

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日本の地名がわかる事典の解説

〔沖縄県〕尖閣諸島(せんかくしょとう)


沖縄県西部、石垣(いしがき)島北方の東シナ海に浮かぶ島嶼(とうしょ)群。魚釣(うおつり)島を主島に、北小(きたこ)島・南小島・沖ノ北岩・赤尾嶼(せきびしょ)(大正(たいしょう)島)・黄尾嶼(こうびしょ)(久場(くば)島)からなる。石垣市に属し、現在はすべて無人島。先島(さきしま)諸島に含まれる。1895年(明治28)日本領に編入。近海に海底油田がある可能性が指摘され、1971年(昭和46)以来、中国・台湾が領有権を主張し、漁民や民間団体による領海侵犯事件が何度も起きている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

尖閣諸島
せんかくしょとう

沖縄県石垣市に属し、八重山列島北方の東シナ海中にある。主島の魚釣(うおつり)島(面積3.82平方キロメートル、中国名は釣魚島(ちょうぎょとう)または釣魚台(ちょうぎょだい))、北小島(面積0.31平方キロメートル)および南小島(面積0.4平方キロメートル)を含むグループと、それよりやや北の久場(くば)島(面積0.91平方キロメートル、黄尾嶼(こうびしょ))と、東へ離れた大正島(面積0.06平方キロメートル、赤尾嶼(せきびしょ))とからなるが、いずれも無人島である。1895年(明治28)に閣議決定に基づき日本領に編入する措置がとられたあと、民間人に払い下げられ、魚釣島を中心に羽毛採取やかつお節製造等の事業が一時活発に営まれた。第二次世界大戦後、尖閣諸島は南西諸島の一部としてアメリカの施政権下に置かれたが、1972年(昭和47)沖縄の返還に伴って日本領土に復帰した。ところが、1968年に行われたエカフェ(ECAFE。国連アジア太平洋経済社会委員会)など各種調査団の資源調査の結果、周辺の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性のあることが指摘されてから、尖閣諸島は俄然(がぜん)中国側の関心をひくことになり、1971年以来、中国と台湾の双方が自国領であると主張している。中国による領有権主張の根拠は、中国・琉球(りゅうきゅう)間の航海に関する16世紀以来の文献に、尖閣諸島が記述されていることにあるが、日本は、これらの文献によっても尖閣は航路の目標にされたにすぎないから、1895年の日本の措置は国際法上有効な先占の行為であると反論している。また、「対日平和条約で日本が放棄した台湾」には、尖閣は含まれていない。2012年(平成24)9月11日、日本政府は地権者から魚釣島、北小島、南小島を購入、3島は国有化された。[太寿堂鼎・広部和也]

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