哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。家畜イヌの1品種で、スイス原産の大形犬。先祖はチベッタンマスチフとみなされている。イタリアとスイスの国境にあるセント・バーナード寺院(サン・ベルナール寺院)では、このイヌを飼育訓練し、山越えをしようとして遭難する人々の救助犬として用いていた。その活躍を伝える絵画やニュースは世の人々に感銘を与え、犬種の名を広めるのに大いに貢献した。本犬種がサイズや毛色を固定され、初めてショーに出場したのは1862年で、1884年に寺院名をとり犬種名とされた。セントバーナードは巨大犬種であるため、均整がとれていれば大きいほどよいとされる。体高は65センチメートル以上、体重は大きなものでは112キログラムにも達する。長毛種と短毛種があり、毛色は赤褐色と白の斑(はん)である。この斑には定めがあり、マスク(吻(ふん)の周囲)、ブレーズ(鼻すじ)、カラー(頸(けい)部)、前胸と足、尾端などの白いものがよいとされる。
[増井光子]
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