ソフトパワー(英語表記)soft power

大辞林 第三版の解説

ソフトパワー【soft power】

政治権力を構成する要素のうち、軍事力や警察力などの物理的強制力(ハード-パワー)でない、経済力や世論、文化や思想などの影響力。 → ハード-パワー

出典 三省堂大辞林 第三版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ソフトパワー
そふとぱわー
soft power

その社会のもつ文化や政治的価値観などを背景として、他国から理解、信頼、支持、共感を得て、国際社会で発揮される影響力。武力や経済力、資源を背景として行使されるハードパワーと対比される。アメリカのハーバード大学教授で国際政治学者であるナイJoseph Samuel Nye, Jr.(1937― )が提唱した。1990年に出版した『不滅の大国アメリカ』Bound to Lead:The Changing Nature of American Powerで初めて提示し、『ソフト・パワー』Soft Power:The Means to Success in World Politics(2004)をはじめとする著書で、現代の国際政治におけるソフトパワーの重要性を繰り返し指摘した。ナイはソフトパワーの源泉として、(1)文化的魅力、(2)政治的な価値観、(3)外交政策の3点をあげている。
 ソフトパワーという考え方はそもそもアメリカの対外政策として誕生したものである。ナイは、1993年に発足したクリントン政権で国家安全保障会議や国防総省(ペンタゴン)での要職を歴任し、続くG・W・ブッシュ政権においても政権中枢で活躍している。とくに、2001年に起きた同時多発テロ事件以降、アメリカの単独主義的行動には中東やイスラム諸国だけでなく、西欧諸国からも非難の声が高まった。こうした事態を乗り越える糸口として、ソフトパワーが強く提唱されるようになった。[編集部]

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