ダグマー理論(読み)だぐまーりろん

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

目標による広告管理の手法。広告効果測定のための目標の設定Defining Advertising Goals for Measured Advertising Resultsの頭文字をとりDAGMARという。1961年、アメリカ広告主協会(ANA)の要請を受けて、経営コンサルタントのコーレイR. H. Colleyが、各広告主の実態調査を基に発表した理論。この目標による広告管理は、コーレイによると、広告管理の手法であって広告効果の測定技術ではないが、この方式によって広告効果の測定が初めて明確にできるという。元来、広告は必要情報を伝えることが任務であるため、広告の成果を売上高だけで判定することは、広告機能を見誤ることになる。ダグマーでは、〔1〕広告の効果をコミュニケーションに限定し、〔2〕広告の目標を広告を実施する前に設定する、という2点から出発して、広告のコミュニケーションを五段階に分ける。これはコミュニケーション・スペクトルとよばれるが、〔1〕未知、〔2〕認知、〔3〕理解、〔4〕確信、〔5〕行為の五つをいう。したがって広告効果の測定においてもこの五段階のスペクトルの変化を中心に考える。たとえば、知名率20%を30%へあげるべく数字で目標を示し、そのために心要とされる広告活動を実施した結果を調査すれば、目標達成率は明瞭(めいりょう)に判定できることになる。

 ダグマー理論に対する批判は、広告の課題をこのようなコミュニケーションに限定したことに多く集中している。この批判を受けて、ANAは1969年に、売上高に与える広告効果測定の研究成果であるキャンベルR. H. Campbell著『Measuring the Sales and Profit Results of Advertising』を発刊した。

[島守光雄]

『R・H・コーレイ著、八巻俊雄訳『目標による広告管理』(1966・ダイヤモンド社)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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