改訂新版 世界大百科事典 「ダルマゴカイ」の意味・わかりやすい解説
ダルマゴカイ
Sternaspis scutata
多毛綱ダルマゴカイ科の環形動物。体をのばしたときに体の中部がくびれてダルマのような形になるのでこの名がある。日本各地の海に分布し,水深25~700mの泥底から採集される。体長は1~3cm,体幅0.5~1.5cmで,体節数は20~22。体は暗灰色で,小さな突起で覆われる。体前部の第2~4環節には,それぞれ先端が曲がった短い剛毛が半円形に並ぶ。第5と第6環節の間の腹側には1対の指状の生殖突起がある。体の後方の腹面に1対の褐色の腹板があり,その周辺から長い針状の剛毛が出,またその後端からは糸状のえらが出ている。浅海では小さい個体が多く,深海のものは大きい。ダルマゴカイ科は1属約5種。
執筆者:今島 実
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報