チクマハッカ(読み)ちくまはっか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「チクマハッカ」の意味・わかりやすい解説

チクマハッカ
ちくまはっか / 筑摩薄荷
[学] Nepeta cataria L.

シソ科(APG分類:シソ科)の多年草。イヌハッカともいう。茎は直立し、高さ0.5~1メートル、葉は対生し、三角状心臓形で粗い鋸歯(きょし)があり、植物体全体は微細な白毛に覆われる。7~8月、淡紫色紫色斑点(はんてん)がある小形の花を開く。アジアからヨーロッパにかけて分布し、日本では長野県の深山岩場草地でみられるものが在来種と考えられている。人里近くの道端に生えているのはヨーロッパから帰化したものであろう。名は筑摩(ちくま)地方で発見されたことによる。

村田 源 2021年9月17日]


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世界大百科事典(旧版)内のチクマハッカの言及

【イヌハッカ】より

…ユーラシア大陸の温帯に分布し,日本には帰化植物として入ってきたと考えられている。別名のチクマハッカは長野県筑摩の地名からついた。葉や花茎を乾燥したものを薬用や調味料にする。…

※「チクマハッカ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」