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チャタレー事件 チャタレーじけん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チャタレー事件
チャタレーじけん

イギリスの作家 D.ロレンスの『チャタレー夫人の恋人』の猥褻性をめぐって行われた裁判事件。 (1) イギリスでは,1960年ペンギン社が『チャタレー夫人の恋人』無削除版を出版するに際し,警察当局と折衝した結果,その猥褻性についての裁判を求め,裁判の確定をみて発売するか否かを決定することにした。同年 10月 20日ロンドン中央刑事裁判所で審理が開始され,11月2日無罪判決がなされたため,イギリスでは無削除版が販売されることになった。 (2) 日本では,1950年伊藤整により上下2巻に完訳されて出版されたが,刑法上の猥褻文書にあたるものとして摘発された。東京地方検察庁は,訳者と出版者小山書店店主小山久二郎を猥褻文書販売罪 (刑法 175) の共同正犯として起訴し,いわゆる文芸裁判のはしりとなった。 52年1月 18日の第1審判決は訳書自体に猥褻性はないが,販売方法が猥褻文書の効果をもったとして訳者を無罪,出版者を有罪 (罰金 25万円) としたが,第2審判決は本書を猥褻文書と断定,訳者にも有罪 (罰金 10万円) の判決を下した。 57年3月 13日の最高裁判所大法廷判決は被告人側の上告を棄却,2審判決を支持し,有罪が確定した。

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