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チルド鋳物 チルドいものchilled casting

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

チルド鋳物
チルドいもの
chilled casting

冷剛鋳物ともいう。普通の鋳鉄より炭素,ケイ素がわずかに低い鋳鉄 (C2.5~3.5%,Si0.3~0.9%,Mn0.3~0.9%程度) を用い,鋳型の必要部分に冷やし金をはめて鋳造してつくる鋳物。冷やし金の部分だけ急冷されて硬く耐摩耗性のよい白鋳鉄組織 (チル) になり,他の部分と内部は鼠 (ねずみ) 鋳鉄組織で,全体にはそれほどもろくない。金型に鋳込めば全面にチルが入る。これは,鋳鉄の黒鉛析出は,成分のケイ素によって促進されマンガンにより抑制されるが,冷却速度が速くても阻止される原理に基づく。用途は,圧延機用ロール,ボールミルライナ,砕鉱機顎板,ハンマ,鉄道車輪,土木機械部品など。チルの深さはロールの場合 15mm程度で,あまり深く入れるともろくなる。特殊鋳鉄にも用いられ,バナジウム,クロム,モリブデンはチルを入りやすくし,アルミニウム,銅は阻害する。チルド鋳物の表面硬さはショア値 Hs70~85 (ブリネル硬さ換算値約 555~620) である。

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百科事典マイペディアの解説

チルド鋳物【チルドいもの】

必要な面に金型を用いて冷却速度を早め,その部分の表面だけ白銑化させた銑鉄鋳物。表面がきわめてかたく,耐摩耗性が格段に大きいのが特長圧延ロール,車輪などに使用。

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