チーナン(済南)特別市(読み)チーナン(英語表記)Jinan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チーナン(済南)特別市」の意味・わかりやすい解説

チーナン(済南)〔特別市〕
チーナン
Jinan

中国東部,シャントン (山東) 省の省都。タイシャン (泰山) 山地の北斜面からホワン (黄) 河の南岸にかけて広がる。チーナン市の5つの市区と5県から成る。中心市街地は山麓にあり,湧水が豊富であるため「泉城」とも呼ばれる。チンフー (京滬) 鉄道が通り,チヤオチー (膠済) 鉄道とその支線によって省の東部を占めるシャントン半島の出入口となっている。また湧水によるシヤオチン (小清) 河は下流に小汽船が通じる。戦国時代には歴下邑と呼ばれて斉の要地であった。漢代に歴城県がおかれ,宋以後は済南府の府治であった。現在のホワン河の河道は漢代には済水で,その南におかれた済南郡が名称の起りである。 1906年商埠地となり,28年「日本人居留民の保護」を名目とした第2次山東出兵で占領された。消費都市的な性格が強かったが,人民共和国成立後は急速に工業が発達。自動車などの機械工場をはじめ,化学,綿紡織,製粉製紙などの工場がある。チンタオ (青島) 港を通じて国の内外との物資集散も盛んである。シャントン大学など教育研究施設も多い。湧水を中心とした景勝地が多く,珍珠泉,黒虎泉などが有名。旧府城にあるターミン (大明) 湖は舟遊びの名所南郊山腹には隋代の千仏山仏龕をはじめ多くの石窟寺院がある。人口 529万 3314,うち市区人口 240万 3946 (1990) 。

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