ディ・クウィンシー(読み)でぃくうぃんしー(英語表記)Thomas De Quincey

日本大百科全書(ニッポニカ)「ディ・クウィンシー」の解説

ディ・クウィンシー
でぃくうぃんしー
Thomas De Quincey
(1785―1859)

イギリスの批評家、小説家。マンチェスターの商家に生まれ、少年時代は放浪生活を送る。オックスフォード大学に入学、ドイツ文学と英文学に才能を発揮するが、大学の教育方針に反発、また歯痛を和らげる目的で始めたアヘンの習慣におぼれ中退する。コールリッジワーズワース、ラムらと親交を結び、1821年、雑誌に発表した『阿片(あへん)常用者の告白』を契機にドイツ文学の翻訳を含む多方面での文学活動を展開した。生来の音楽的資質が、豊かな想像力と相まって彼の散文は情感にあふれ、品位あるレトリック、優美繊細な感情表現により当代最高の散文作家と評価されている。なかでも『「マクベス」の門番の場に関する考察』(1823)、『芸術の一形式としての殺人について』(1827)などは有名であり、思考の散策のうちにいつしか事物の本質に迫るイギリス随想家の典型的な1人である。

[前川祐一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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