トビケラ類(読み)トビケラるい(その他表記)Trichoptera; caddisfly

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トビケラ類」の意味・わかりやすい解説

トビケラ類
トビケラるい
Trichoptera; caddisfly

トビケラ目に属する昆虫の総称。小型ないし中型のガに似たからだつきの昆虫で,毛翅類ともいう。触角は糸状で長く,多数の環節から成る。複眼はかなり大きく,単眼は3個,または欠如する。大顎は退化し,他の口器も貧弱で,あまり食物をとらない。2対のは毛と鱗毛におおわれ,多数の縦脈とわずかな横脈がある。後翅は前翅より短いが幅広く,前翅より毛が少い。また前翅は樹皮様など保護色を示すものが多く,後翅は普通淡色であるが,なかには目立ちやすい色彩や斑紋をもつものもある。静止するとき翅は屋根形に体をおおってたたまれ,後翅は前翅の下に隠れる。肢は長く,歩行に適し,脛節にはがあり,跗節は5節。腹部は9~10節で,1~2節から成る尾角をもつ。変態は完全変態幼虫は淡水中にすみ,水中に巣をつくるが,その形や巣材は科によってほぼ定まっており,一般に蓑虫 (→ミノガ ) のような筒巣をつくるものが多い。食性は肉食,草食または雑食性。成虫水辺にみられ,多くは夜行性灯火に集り,昼間は樹幹や草むら,石などに静止しているものが多いが,昼間飛翔する種もある。世界に 17科 7000種余が知られており,そのうち 27科 300種ほどが日本に産する。 (→昆虫類 )  

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