トンド(その他表記)tondo

翻訳|tondo

精選版 日本国語大辞典 「トンド」の意味・読み・例文・類語

トンド

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] tondo 本来は「円形の」の意 ) 狭義には、一五~一六世紀フィレンツェ中心とするルネサンス期イタリアで制作された聖母主題とする円形の絵や陶製浮彫りをさす。

とんど

  1. 〘 名詞 〙どんど

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改訂新版 世界大百科事典 「トンド」の意味・わかりやすい解説

トンド
tondo

円形の絵画,浮彫,装飾用陶製皿などのこと。元来は〈円形の〉を意味するイタリア語。古くは,古代メダイヨンの例がある。ルネサンス期イタリアで愛好され,15世紀フィレンツェで,ボッティチェリらが円形絵画を,L.dellaロッビア一族が円形の彩釉浮彫陶板を制作した。しかし,トンド形式の美術が最高度の完成を見たのは盛期ルネサンスで,ミケランジェロは初期に2点の大理石円形浮彫と,〈トンド・ドーニTondo Doni〉と呼ばれる《聖家族》(1504-06ころ)を制作し,またラファエロは《小椅子の聖母》(1514)を残した。マニエリスム期になると,凸面鏡に映る画家自身を描いたパルミジャニーノの《鏡の中の自画像》(1524)のように,錯視的な効果をあげるためにトンドが利用された例もある。バロック期には楕円形のものも好まれた。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トンド」の意味・わかりやすい解説

トンド
tondo

イタリア語の「丸い」の意味。円形画または円形の浮彫。古代のメダルから発展したと考えられ,特に 15~16世紀のフィレンツェを中心にルネサンス時代のイタリアで行われた。主題的には聖母子を扱ったものが多く,ミケランジェロ,ラファエロなど有名な例がある。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「トンド」の解説

トンド

左義長(さぎちょう)

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世界大百科事典(旧版)内のトンドの言及

【左義長】より

小正月の火祭。一般に1月14日か15日に行う。九州では6日か7日が多い。竹を主材料に,円柱状,あるいは円錐形,方形などに組み,中心の心竹に,御幣に相当する飾りや縁起物を付け,それを,すす払いに出た前年のお札や,4日か7日にさげた門松や正月飾と一緒に焼く。この火で餅やだんごを焼いて食べると無病息災であるとか,書初め(かきぞめ)を焼いて高く飛ぶと手が上がるとかいう。本来は,供物を焼きあげ,新年の祈願をささげる行事らしい。…

【松の内】より

正月の松飾をしておく期間内のこと。門松年棚の松は年神の依代(よりしろ)と考えられるから,松飾のある間は正月の年神祭が続いていると理解することができる。その期間は土地によって必ずしも一定せず,元旦から3日まで,あるいは7日,15日前後までとする所などがあるが,一般に松の内は短くなる傾向にある。しかし,4日朝の僧侶による寺年始までには門松をとってしまうべきだとする所でも,屋内の神棚の松飾や注連(しめ)飾をはずすのはそれより後だとする所が少なくないし,また3日など比較的早い時期に門松をとる所では,その穴の跡に門松の芯の小枝をとって少し挿しておく所が珍しくないことから,3日などではなく,7日もしくはそれよりも長い期間が本来の松の内ではなかったかと思われる。…

※「トンド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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