ドイツ唐檜(読み)ドイツトウヒ

デジタル大辞泉 「ドイツ唐檜」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐とうひ〔‐タウヒ〕【ドイツ唐×檜】

マツ科の常緑高木。大形のトウヒで、高さ約70メートルになることもある。ヨーロッパ山地に自生するほか、防雪樹や庭園樹、クリスマスツリーとして利用される。

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精選版 日本国語大辞典 「ドイツ唐檜」の意味・読み・例文・類語

ドイツ‐とうひ‥タウひ【ドイツ唐檜】

  1. 〘 名詞 〙 マツ科の常緑高木。ヨーロッパの山地に生え、並木、防風樹、造園樹として広く植えられている。高さ三〇~五〇メートル、七〇メートルに達することがある。樹冠円錐形、葉は線形、長さ一~二・五センチメートル、暗緑色光沢がある。球果円筒形ないし長楕円体で大きい。多くクリスマスツリーに用いられる。ヨーロッパとうひ。おうしゅうとうひ。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドイツ唐檜」の意味・わかりやすい解説

ドイツトウヒ
どいつとうひ
norway spruce
common spruce
[学] Picea abies (L.) Karst.

マツ科(分子系統に基づく分類:マツ科)の常緑針葉高木。オウシュウトウヒ、ヨーロッパトウヒともいう。大きいものは高さ70メートル、径2メートルに達する。葉は暗緑色で光沢があり、先端は鋭くとがり、多少曲がる。雌雄同株。5~6月、開花する。雄花雌花ともに頂生。球果は下垂し、トウヒ属のなかでもっとも大きく、円筒形または長楕円(ちょうだえん)形で長さ10~20センチメートル、径3~4センチメートル、10月、鮮褐色に熟す。ヨーロッパに広く分布するほか各国で植栽され、100種以上の変種が知られている。日本には明治中期に導入され、中部地方以北の本州、北海道などに植林されている。陰樹で、適潤性の軽い土壌でよく育つ。浅根性で風に弱い。庭園樹、公園樹、防風樹、防雪樹として植えられる。材は建築、器具、楽器、パルプなどに利用し、クリスマス・ツリーとしても賞用される。

[林 弥栄 2018年5月21日]


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世界大百科事典(旧版)内のドイツ唐檜の言及

【トウヒ(唐檜)】より

…緻密(ちみつ)な材が楽器,家具,建築材として賞用される。ドイツトウヒ,別名オウシュウトウヒP.abies (L.) Karst.(英名common spruce,Norway spruce)(イラスト)はヨーロッパの代表的な林業樹種で,北部から中央部まで広く分布する。下枝が下垂し枯れ落ちないので広く防風・防雪林としても植えられる。…

※「ドイツ唐檜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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