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トウヒ

百科事典マイペディアの解説

トウヒ

マツ科の常緑高木。本州中部の亜高山帯にはえる。葉はやや扁平な線形で多少弓形に曲がり,上面は緑色で下面は白い。雌雄同株。5〜6月開花。雄花は紅色の円柱形で,黄色の花粉を出し,雌花は円柱形で紅紫色となる。果実は9〜10月,黄褐色に熟し円筒形,種子には長い翼がある。エゾマツの変種であるが,樹皮が赤みを帯び,鱗片状にはがれ,果実はやや小さい。材は建材,器具,パルプとする。ドイツトウヒオウシュウトウヒ)はヨーロッパ全土にはえ,葉の断面は四角形,果実は長円筒形。材は建材,パルプ,樹をクリスマス・ツリーなどとする。北海道で植林。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

トウヒ
とうひ / 唐檜
[学]Picea jezoensis (Sieb. et Zucc.) Carr. var. hondoensis (Mayr) Rehd.

マツ科の常緑針葉樹。エゾマツの一変種。大きいものは高さ40メートル、径1メートルに達する。樹皮は暗赤灰褐色、小さな鱗片(りんぺん)となってはげる。葉はやや扁平(へんぺい)な線形で長さ0.7~1.5センチメートル、幅2~2.2センチメートル、先は丸くてやや湾曲し、表面は濃緑色、裏面は灰白色を呈する。雌雄同株。5~6月、開花する。雄花は円柱形で小枝につき紅色、雌花は円柱形で小枝の先に斜め上向きにつき紅紫色。球果は円柱形で長さ3~6センチメートル、径2~2.5センチメートル、初め紅紫色を帯び、10月ころ熟すと黄褐色となって枝先から垂れ下がる。種子は倒卵状楕円(だえん)形で長い翼がある。福島県南部から奈良県までの亜高山帯に分布。名は、唐(中国)風のヒノキに見立てたものという。材は木目が美しく、弾力性が強く、軽くて柔らかく、緻密(ちみつ)で加工が容易であり、建築、船舶、器具、楽器などに利用する。基本種のエゾマツは葉の先がとがり、球果、種子ともにやや大きい。北海道、および朝鮮半島、中国東北部、樺太(からふと)(サハリン)に分布する。トウヒ属にはほかにドイツトウヒなどがある。[林 弥栄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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