ドレスナー銀行(読み)どれすなーぎんこう(その他表記)Dresdner Bank AG

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドレスナー銀行」の意味・わかりやすい解説

ドレスナー銀行
どれすなーぎんこう
Dresdner Bank AG

ドイツの金融機関。かつてはドイツの三大銀行の一つとして、商業銀行業務をベースにあらゆる金融業務をカバーするユニバーサル・バンキング・システムをとっていたが、2001年に大手金融グループのアリアンツに買収され、その子会社となり、さらに2009年にコメルツ銀行へ売却・併合された。

 ドレスナー銀行は1872年、その名が示すとおりドレスデンで設立された。その後、1884年に本拠ベルリンに移したが、1900年代の初めにふたたびドレスデンに移るなど変遷を重ねた。第二次世界大戦後はドイツの金融の中心地であるフランクフルト本社を置いた。

 1990年代後半、アジア、ロシア中南米などで金融危機が深刻化するなか、世界の大手金融機関は他機関との業務提携や吸収合併の動きを加速させた。1998年、ドレスナー銀行は日本の明治生命保険(現、明治安田生命保険)と資産運用業務における提携を行い、両投資顧問子会社の合併により、明治ドレスナー・アセットマネジメント(現、MDAMアセットマネジメント)を設立した。ドレスナー銀行の1998年度の総資産は7148億0800万マルク、預金高6000億9500万マルク、従業員数4万8950人。国内外に1500以上の支店をもち、78か国に進出していた。

[所 伸之]

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改訂新版 世界大百科事典 「ドレスナー銀行」の意味・わかりやすい解説

ドレスナー銀行 (ドレスナーぎんこう)
Dresdner Bank AG

ドイツ銀行Deutsche Bank,コメルツ銀行Commerzbankと並ぶドイツ三大商業銀行の一つで,ヨーロッパの有力銀行で結成しているヨーロッパ銀行連盟Associated Banks'of Europe Corporation(ABECOR)に属している。本社フランクフルト・アムマイン。1872年ドレスデンにおいて一般商業銀行として設立され,84年には本部をベルリンに移した。その後,第1次大戦とそれに続く激しいインフレーションによりドイツの銀行は深刻な苦難の時期を迎えた。さらに第2次大戦後には東西両ドイツへの分割により,同行は東ドイツ領の全支店を失い,また西ドイツ地区の支店も過度の集中排除の理由により10の地方銀行に分割されたが,1957年再びドレスナー銀行として統合された。72年本社をフランクフルト・アム・マインに移す。同行は証券業務も兼営する総合銀行として各種の金融業務を行っている。海外支店網等の拡充により国際業務への進出も著しい

 2001年ドイツの大手金融サービスの持株会社アリアンツAllianj AGの子会社となった。総資産5240億ユーロ(2004年12月)。預金残高3421億ユーロ(2004年12月期)。
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