ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「ドービニャック」の解説
ドービニャック
Aubignac, François Hédelin, abbé d'
[没]1676.7.25. ヌムール
フランスの古典主義の理論家,劇作家。法律家の家柄で,母親は 16世紀の有名な外科医 A.パレの娘。ヌムールで弁護士の教育を受けたが聖職に転じ,オービニャック,次いでメナックの修道院長に任じられ,リシュリューの甥の家庭教師もつとめた。後年ヌムールに退き文学に専念し,当時の論争に進んで参加。長年努力してまとめた演劇理論書『演劇の実践』 La Pratique du théâtre (1657) はアリストテレスの規範の尊重,特に「三一致の法則」を最初に定め,「ほんとうらしさ」の必要と時と場所の一致をとりわけ強調している。
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