翻訳|aside
劇のせりふの一種で独白の特殊なもの。〈わきぜりふ〉ともいう。通常の独白が原則として舞台上にただ一人いる人物によって語られるのに対して,傍白は舞台上に複数の人物がいる状態で特定の人物によって語られ,他の人物には聞こえないたてまえになっている。語り手の秘密の計画や本心など,他の人物に知られたくない情報を観客に提供するために用いられる。これによって語り手と観客は状況認識を共有し,劇の進行を距離をおいて眺めることができるようになるから,アイロニーを生むためには有効な手段である。17世紀から19世紀にかけてのヨーロッパの劇では頻繁に用いられたが,他の人物に聞こえないという不自然なたてまえによっているため,リアリズム劇では退けられた。
執筆者:喜志 哲雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…よく行われるせりふの形式上の一分類としては,2人あるいはそれ以上の登場人物の間で交わされる〈対話(ダイアローグdialogue)〉。登場人物が自分自身の考えや感情などをみずからに問いかける形をとる〈独白(モノローグmonologue)〉(モノローグ劇),対話中に対話の当の相手には聞こえないという約束で横を向き独りごとのように言う〈傍白(アサイドaside)〉などがある。【編集部】
[せりふの言語表現の特質]
せりふは,戯曲表現の唯一の直接的な実質であり,筋や役の性格を含めて,劇的な行動のいっさいがそれを通じて表現される。…
…よく行われるせりふの形式上の一分類としては,2人あるいはそれ以上の登場人物の間で交わされる〈対話(ダイアローグdialogue)〉。登場人物が自分自身の考えや感情などをみずからに問いかける形をとる〈独白(モノローグmonologue)〉(モノローグ劇),対話中に対話の当の相手には聞こえないという約束で横を向き独りごとのように言う〈傍白(アサイドaside)〉などがある。【編集部】
[せりふの言語表現の特質]
せりふは,戯曲表現の唯一の直接的な実質であり,筋や役の性格を含めて,劇的な行動のいっさいがそれを通じて表現される。…
…人物が特定の相手に聞かせることを目的とせずに語るせりふ。舞台上に他の人物がいないときに語られる単なる独白と,他の人物がいるときに語られる傍白とに区別される。古典劇ではよく用いられ,シェークスピアやモリエールの劇には頻出する。…
※「傍白」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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