ナガバノモウセンゴケ(読み)ナガバノモウセンゴケ(その他表記)Drosera anglica; oblong-leaved sundew

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ナガバノモウセンゴケ」の意味・わかりやすい解説

ナガバノモウセンゴケ(長葉の毛氈苔)
ナガバノモウセンゴケ
Drosera anglica; oblong-leaved sundew

モウセンゴケ科多年草。北海道や本州尾瀬沼などの高層湿原に生える食虫植物。北半球亜寒帯に広く分布する。モウセンゴケ (毛氈苔)に似ているが,葉は多数根生して直立し,長さ3~4cmの線状へら形で表面と縁に紅紫色腺毛が密生し,小さい虫を粘着して消化吸収する。7~8月に,葉間に高さ 10~25cmの花茎が直立し,白色5弁の小花を穂状総状花序につけるが,花は花軸の一側にだけつき,下方のものから順次開花する。

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百科事典マイペディア 「ナガバノモウセンゴケ」の意味・わかりやすい解説

ナガバノモウセンゴケ

モウセンゴケ

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世界大百科事典(旧版)内のナガバノモウセンゴケの言及

【尾瀬ヶ原】より

…また著しい隔離分布をしている北周極要素(北半球の高緯度に分布する要素)が多数ある。ナガバノモウセンゴケは本州唯一の確実な産地であり,オゼコウホネは北海道などにあるネムロコウホネと同じもので,氷期の遺存種とみなされている。原の特異な景観の構成に重要な役割を果たしているミズゴケは20種に及び,キダチミズゴケが広範囲に生育していることなど種構成およびその生態からみて日本では他に類例を見ない。…

【モウセンゴケ(毛氈苔)】より

… モウセンゴケ属Drosera(英名sundew)は世界で約90種が知られ,そのうちの約60種はオーストラリアに集中的に分布している。日本にはほかに,ナガバノモウセンゴケD.anglica Huds.(イラスト),モウセンゴケとナガバノモウセンゴケの種間雑種サジバモウセンゴケD.obovata Mert.et Koch,コモウセンゴケD.spathulata Labill.(イラスト),イシモチソウD.peltata Smith,(イラスト)ナガバノイシモチソウD.indica L.がある。イシモチソウは日本を北限とし,南はオーストラリア,タスマニア島までの東南アジアを中心に広く分布する多年草で,地下部に直径約5mmの球状塊茎をもち,茎が立ち上がり,また葉身(捕虫葉)は楯状に葉柄についた三日月形という形態的特徴をもつ。…

※「ナガバノモウセンゴケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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