インド北東端,ミャンマー国境部の州。面積1万6500km2,人口199万(2001)。州都コヒマKohima。アラカン山系の北端部にあたり,ナガ丘陵など数条の山地が北北東から南南西に走り,その間に狭長な河谷が介在する。河川は主としてインド領内に流れるが,南東部ではミャンマーに流出する。河谷の棚田,棚畑での連作農業と山地斜面での焼畑農業が主たる生業で,前者の主作物は稲である。工業は製糖,製紙などがあるにすぎない。住民はナガ族と総称されるチベット・ビルマ語派系の言語を話すアンガミ,アオ,セマなどの諸部族からなり,ローマ字化したアッサミー語を共通語とし,宗教も現在はキリスト教が多い。1826年イギリス領となり,1947年のインド独立後も中央政府の行政権に服していた。しかし独立運動が活発となり,60年以降は軍隊の出動をみるようになった。63年の州への昇格も独立運動鎮静化の試みであり,74年になって地下独立運動者との和解が成立した。
執筆者:応地 利明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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