ナクライト(読み)なくらいと

最新 地学事典 「ナクライト」の解説

ナクライト

nacrite

化学組成Al4Si4O20OH8カオリナイト-蛇紋石族の鉱物,1:1型,ディオクタヘドラル亜族。単斜晶系,空間群Cc,格子定数a0.891nm, b0.515, c1.57, β113.7°,単位格子中2分子含む。劈開{001}完全,{010}・{110}良,硬度2~3,比重2.60。白色鱗片,粉末塊。真珠光沢。示差熱分析曲線の吸熱ピーク600~700℃(OHの脱水によるもので低温側で緩やか,高温側で急,非対称形),発熱ピーク900~1,000℃。二軸性負,方位Z=b, 2V40°,または二軸性正,2V約90°,屈折率α1.560, β1.566, γ1.568。火山岩の熱水変質鉱物として,カオリナイト,ディッカイトなどと共生。A.BreithauptがドイツFreiberg産の真珠光沢をもつ(nacreous)鉱物に命名したことによる。

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ナクライト

nakhlite

おもにオージャイトからなり,少量のかんらん石を含む集積岩である。ナクラ(Nakhla)隕石をタイプとする。火星隕石中で2番目に数の多いグループで,約20試料が報告されている。どの試料も形成年代は約13億年で,宇宙線照射年代も約1千万年で共通なことから火星の同じ火成岩体起源として,同じインパクトで宇宙空間に放出された可能性がある。鉱物学的特徴が試料ごとに少しずつ異なり,同じ岩体の異なる深さに対応した試料と考えられている。他の火星隕石グループと異なり,わずかな水質変成の痕跡が見られ,かんらん石の割れ目や石基部分にイディングサイトと呼ばれる沈殿物が形成している。

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出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

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世界大百科事典(旧版)内のナクライトの言及

【エコンドライト】より

…( )内の数字は非南極隕石中の個数。オーブライトaubrite(9),ユレイライトureilite(6),ダイオジェナイトdiogenite(8),ホワルダイトhowardite(19),ユークライトeucrite(24),シャーゴッタイトshergottite(2),ナクライトnakhlite(3),シャシナイトchassignite(2),アングライトangrite(1),その他(7)。真の結晶質の組織を保っているものは少なく,母天体上での隕石衝突により破砕,混合された角レキ岩的組織を示す。…

※「ナクライト」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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