ニンヒドリン

化学辞典 第2版 「ニンヒドリン」の解説

ニンヒドリン
ニンヒドリン
ninhydrin

2,2-dihydroxy-1H-indane-1,3-dione.C9H6O4(178.14).1,3-インダンジオンを二酸化セレンで酸化するか,フタル酸ジメチルと酢酸エチルを縮合させて1,3-ジオキソインダン-2-カルボル酸エチルとし,加水分解後脱炭酸するなどの方法で合成される.柱状晶分解点239~240 ℃.各種のアミノ酸と反応して赤紫色に呈色するので,アミノ酸の検出定量に使われる(ニンヒドリン反応).プロリンヒドロキシプロリンなどのイミノ化合物では,黄色となる.[CAS 485-47-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ニンヒドリン」の意味・わかりやすい解説

ニンヒドリン
にんひどりん
ninhydrin

芳香族ケトンの一つ。1,2,3-インダントリオン水和物の別名。1,3-インダンジオンを二酸化セレンで酸化すると得られる。分子式C9H6O4。分子量178.1。


 無色の柱状結晶で、加熱すると140℃で赤紫色になり、239~240℃で分解を伴い融解する。アミノ酸を含む溶液に1%ニンヒドリン水溶液を少量加えて加熱すると赤紫色を呈するので、アミノ酸の検出試薬として用いられる。この呈色反応をニンヒドリン反応という。

[廣田 穰 2015年3月19日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ニンヒドリン」の意味・わかりやすい解説

ニンヒドリン
ninhydrine

無色の柱状晶。分解点 239~240℃。α-アミノ酸と反応して赤紫色を呈するので,アミノ酸の検出,定量に利用される。

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