ヌレエフ(その他表記)Nureyev, Rudolf Hametovich

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヌレエフ」の意味・わかりやすい解説

ヌレエフ
Nureyev, Rudolf Hametovich

[生]1938.3.17. イルクーツク
[没]1993.1.6. パリ
舞踊家,振付家。レニングラード・バレエ学校に入り一躍頭角を現す一方,旧ソ連の青年組織であるコムソモールへの参加を拒否するなど反抗的態度を示し,またひそかに英語を学んだ。 1955年キーロフ・バレエ団に入団。 1961年パリ公演の際,オルリー空港で劇的な亡命をした。パリでマルキ・ド・クエバス・バレエ団に入り『眠れる森の美女』などに出演,特異な才能と情熱的な演技力は V.ニジンスキー再来と評され,注目された。その後,R.ハイタワー,S.アロワらの相手役を経て,1963年イギリスのロイヤル・バレエ団の M.フォンティンの相手役となり『ジゼル』『海賊』などを踊った。フォンティンとの名コンビは世界を魅了し,同バレエ団の歴史に新しい時代を築いたといえる。 1982年オーストリア市民権を取得。 1983年パリ・オペラ座バレエ団の芸術監督に就任したが,自身の海外での客演が多いため,1989年に解任された。振り付け作品に『ロミオとジュリエット』 (1977) などがあり,また『バレンチノ』 (1977) をはじめ,映画,テレビ出演も多かった。

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