ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フォンティン」の意味・わかりやすい解説
フォンティン
Fonteyn, Dame Margot
[没]1991.2.21. パナマ
イギリスのバレリーナ。本名 Margaret Hookham。 1934年サドラーズ・ウェルズ・バレエ団 (のちのロイヤル・バレエ団 ) に参加,35年 A.マルコワのあとをうけて,プリマ・バレリーナになり,マルコワの役をほとんど受継いだほか,F.アシュトンの新作『妖精の接吻』に主演。特に 39年『眠れる森の美女』のオーロラ姫で絶賛を博し,以来当り役となる。その後ヨーロッパ各地を巡演して名声を得るとともに,第2次世界大戦中は手薄になったイギリス・バレエ界にあって R.ヘルプマン,M.ソムズと組み,バレエの繁栄に貢献,56年現役バレリーナとして最初のデイムの勲位に叙せられた。さらに 1960年代にはソ連から亡命した R.ヌレエフとパートナーを組み,古典をはじめ M.グラハムが2人のために作った『ルシファー』 (1975) など新作バレエも踊って「奇跡のコンビ」といわれ,世界を魅了した。また,元駐英パナマ大使の R.アリアス博士夫人であり,王立舞踊アカデミー総裁をつとめた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報