バイモ

世界大百科事典 第2版 「バイモ」の意味・わかりやすい解説

バイモ【Fritillaria thunbergii Miq.】

中国原産で,日本では鎮咳去痰などの生薬として栽培されているユリ科バイモ属の多年草(イラスト)。草丈15~90cm,葉は多数で,線状披針形,その先端は巻きひげ状となって巻きつくことがある。地下に白い鱗茎をもつ。花は1~7個,完全な両性花か雄性単性花で,下垂し,鐘状,花被片6枚,外側は淡黄緑色,内側には紫色の網目模様がある。このことから,アミガサユリ(編笠百合)の別名がある。中国ではこの属の数種の鱗茎を〈貝母〉というが,ベルチシンverticineなどのアルカロイドを含み,古くから薬用として利用された。

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百科事典マイペディア 「バイモ」の意味・わかりやすい解説

バイモ

中国原産で,庭などに植えられ,ときに野生化するユリ科の多年草。茎は高さ30〜80cm。葉は2〜3枚ずつ数段になってつき,線状披針形で長さ7〜15cm。葉の先は長くとがり,上部の葉では巻きひげ状に巻く。4〜5月,茎頂に径4cm内外,鐘形の花を数個,下向きにつける。6枚の淡緑色の花被片には内面に紫色の網紋があるためアミガサユリともいう。鱗茎は2枚の鱗片が相対して貝殻状,薬用となる。近縁コバイモは全体に小さく,葉の先は巻きひげ状にならない。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バイモ」の意味・わかりやすい解説

バイモ
ばいも

フリティラリア

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