バイ・アメリカン(読み)ばいあめりかん(英語表記)Buy American

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バイ・アメリカン
ばいあめりかん
Buy American

アメリカの自国製品優先購入政策をいう。アメリカは1933年バイ・アメリカン法Buy American Actを制定し、アメリカ政府の公共事業で使用する物資・サービスについては、自国内の製品を優先的に購入することを規定した。これは、国内産業の保護および国内生産の奨励を目的とする不況対策の一つとしてとられたものであった。また、第二次世界大戦後、アメリカは大規模な経済援助と軍事支出を行ってきたが、ヨーロッパ諸国の生産性回復とともにアメリカの国際収支は赤字に向かい、海外におけるドル残高とアメリカからの金流出が増加し、1960年前後からドル危機が発生した。そこで、外国がアメリカの対外援助やドル借款によって物資を調達する場合、アメリカの製品を優先的に購入させるバイ・アメリカン政策をとった。これは自国船を優先的に使用させるシップ・アメリカン政策とともに、ドルの海外流出を防止するドル防衛策の一つであり、また一方では国内産業の保護を目的とするものであった。
 2008年9月のアメリカの証券会社リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)を機に、世界は「100年に一度」ともいわれる深刻な金融危機にみまわれ、世界同時不況に突入した。世界各国は自国の産業を守ろうとして保護主義的措置をとり始めたが、アメリカでも、2009年2月成立の景気対策法において、公共事業や政府調達にアメリカ製品の優先的使用を義務づけるバイ・アメリカン条項が盛り込まれた。[秋山憲治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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