2003年に登録されたアフガニスタンの世界遺産(文化遺産)で、首都カブールの北西、ヒンドゥークシュ山脈の山中、標高2800mほどの高地に位置する。古代遺跡群は1~13世紀に石窟仏教寺院が開削され、1000以上もの仏教美術の優れた石窟が発見されている。なかでも4~5世紀頃に崖面を穿って造られた、高さ55m(西大仏)と38m(東大仏)の2体の巨大仏像は有名だった。石窟内にはグプタ朝のインド美術やササン朝のペルシア美術の影響を受けた壁画が描かれた。これらの芸術的な価値が評価されて、世界遺産に登録された。しかし1979年のソビエト連邦のアフガニスタン侵攻によって大きな被害を受け、さらに2001年3月にバーミヤン渓谷の2体の大仏はタリバン政権によって破壊された。崩壊、盗掘などが原因で、2003年の遺産登録と同時に危機遺産リストにも登録された。◇英名はCultural Landscape and Archaeological Remains of the Bamiyan Valley