パラディオン(英語表記)Palladion

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パラディオン
Palladion

ギリシア神話でトロイにあったとされるアテナ神像。市の創建者ダルダノスのため,ゼウスによって天から下されたとされ,これがある間はトロイは不落であったが,そのことを知ったオデュッセウスは,ディオメデスとともに市内に忍び込んでこれを盗み出し,ギリシア軍のトロイ攻略を可能にしたという。しかしローマの伝説では,このとき盗まれたのは実はにせもので,ほんとうのパラディオンは,トロイ落城のおりに,アイネイアスによって持出され,イタリアにもたらされ,結局ローマのウェスタ神殿に安置されて,その安全の神聖な保証となったとされる。ディオメデスがパラディオンをイタリアに持ってきてアイアスに与えたという形で,この2種の異伝間の矛盾を解消させようとした所伝もある。

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世界大百科事典 第2版の解説

パラディオン【Palladion】

ギリシア伝説で,パラス・アテナPallas Athēna(パラスはアテナ女神の呼称の一つ)の像。トロイアの建設者イロスの祈りにこたえてゼウスが天より下したもので,この像が存するかぎりトロイアの安全は保証されたが,のちのトロイア戦争の際,オデュッセウスとディオメデスに盗み出され,戦後,ギリシアへ運ばれた。一説では,盗み出された神像は複製で,本物はアエネアスの手でイタリアへ運ばれたともいう。【水谷 智洋】

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