ヒッポリツス(英語表記)Hippolytus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒッポリツス」の意味・わかりやすい解説

ヒッポリツス
Hippolytus

[生]165頃
[没]235頃.サルジニア
対立教皇在位 217/218~235)。殉教者,聖人。ギリシア教父。エイレナイオスの弟子。モナルキアニズム論争の渦中にあって,教皇ゼフィリヌス,カリクスツス1世を聖父受難説として攻撃。217年カリクスツス1世が教皇になると,信奉者に推されて対立教皇となった。235年,ときの教皇ポンチアヌスとともに迫害を受け,サルジニアに追放されて,両者は和解。神は唯一であるが,内にことばと知恵を含む複数性をもち,創造においてことばを外化し,それは受肉によって聖子になると主張,二神論者との非難を受けた。道徳的には厳格主義者であり,至福千年説を支持。主著『哲学的思想』Philosophumenaはあらゆる異端説を取り上げ,それらが異教哲学に由来することを証明。『使徒聖伝』Apostolikē Paradosisは当時の教会法を成文化したもので,のちの改訂版『ヒッポリツス法令集』Canons of St. Hippolytusが現存。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android