ガス拡散法(読み)ガスかくさんほう(英語表記)gaseous diffusion method

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガス拡散法」の意味・わかりやすい解説

ガス拡散法
ガスかくさんほう
gaseous diffusion method

天然ウランから核分裂性同位体のウラン235を分離し,その存在比を高めるウラン濃縮法の一つ。分子量の軽いウラン235のほうが,重いウラン238より早く拡散することを利用する。天然ウランを六フッ化ウランに変え,高圧にして,細かい気孔の開いた多孔質隔膜を何層も置いたところに強制的に通すと,分子量の軽いウラン235のほうが隔膜の外に流出しやすい。このような過程を 500段ほど繰り返すと,97~98%という高濃度のウラン235が得られる。巨大な規模工場と大量の運転用電力を必要とし,ひいては生産コストが高くなることが欠点とされ,これに代わる遠心分離法も始められている。(→ウランウラン濃縮

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