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ビシェグラード協力 びしぇぐらーどきょうりょく

知恵蔵の解説

ビシェグラード協力

ポーランド、チェコ、スロバキア、ハンガリーの中欧4カ国からなる地域協力。1989年の体制転換後、ワルシャワ条約機構(WTO)やコメコンの改革、解体を目指した動きと連動して、中欧諸国が安全保障面の協力関係を築こうとしたことに由来する。90年4月、当時のチェコスロバキア(93年1月、チェコとスロバキアに解体)大統領ハベルの提唱により、3国の首脳がスロバキアの首都ブラチスラバに参集して、協力関係の構築を模索した。この時期、2国間の軍事協力協定がそれぞれ締結された。安全保障上の共通認識に基づき、3国間の実質的な協力関係が確立するのは、91年2月にハンガリーの首都ブダペスト郊外の町ビシェグラードで開催された第2回首脳会談においてである。WTO解体や北大西洋条約機構(NATO)に対する共通の取り組みで合意が形成された。さらに同年10月には、ポーランドの古都クラクフで第3回首脳会談が行われ、これまでの軍事・政治的協力に加え、3国の経済協力の推進が検討された。この結果、3国間の自由貿易圏を形成する交渉が進められ、92年12月にクラクフで中欧自由貿易協定(CEFTA)が締結、93年から発効している。スロバキアを含め4国間の協力関係は確立したが、欧州統合に対する取り組みは必ずしも一致していない。例えば、94年初めの平和のためのパートナーシップ(PFP)協定参加問題をめぐっても、立場の違いが見られた。チェコは西側諸国との接近を強め、専ら欧州連合(EU)やNATOへの加盟を求めた。一方、ポーランドは旧ソ連のウクライナやベラルーシとの関係強化にも努めた。その後、ビシェグラード協力の活動はCEFTA関係に限定されている。96年1月にスロベニア、97年7月にルーマニア、98年7月にブルガリア、2002年にクロアチア、06年にマケドニアがCEFTAに加盟した。EU未加盟国にとってCEFTAへの加盟がEU加盟への試金石となっている。

(柴宜弘 東京大学教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

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