ピリポ(英語表記)Philip

翻訳|Philip

改訂新版 世界大百科事典 「ピリポ」の意味・わかりやすい解説

ピリポ
Philip

1世紀後半の最初期キリスト教におけるユダヤ人伝道者。《使徒行伝》6章5節によれば,ステパノと同じくユダヤの律法から自由なヘレニズム的キリスト教を宣教した7人の指導者の1人とされる。ステパノの迫害ののちサマリアに伝道し,そこでシモン・マグスを入信させ(《使徒行伝》8:1~13),さらにエルサレム南方のガザエチオピア人宦官洗礼を授けた(同8:26~39)とされる。その後カエザリアで処女預言者であった4人の娘たちとともに伝道した(同21:8~9)。4世紀の教会史家エウセビオスによれば,小アジアヒエラポリスに4人の娘とともに埋葬されたとされる。
執筆者:

ピリポ
Philip

1世紀半ばの最初期キリスト教におけるイエスの12弟子の1人(《マルコによる福音書》3:18)。《ヨハネによる福音書》1章35~51節,12章21節によれば,ペテロアンデレと同様にガリラヤ地方のベツサイダ出身のユダヤ人で,おそらくもとバプテスマのヨハネの弟子であったと思われる。イエスに従って伝道をなした(《ヨハネによる福音書》6:5,12:20~22)が,詳しいことは不明である。4世紀初めの教会史家エウセビオスによれば小アジアのヒエラポリスで没したとされるが,確証はない。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピリポ」の意味・わかりやすい解説

ピリポ

ヘロデス・フィリッポス」のページをご覧ください。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android