ステパノ(読み)すてぱの(英語表記)Stephanos ギリシア語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ステパノ」の意味・わかりやすい解説

ステパノ
すてぱの
Stephanos ギリシア語
Stephen 英語
(?―30ころ)

初期キリスト教の指導者の1人。最初殉教者。ユダヤ人であるが、おそらく外地出身で、ヘレニズムの影響を強く受けていた。イエスの死後エルサレムでキリスト教に接し、教会に加わった。『新約聖書』の「使徒行伝(ぎょうでん)」6、7章によれば、ユダヤ教的伝統からの自由を強調したため、ユダヤ人の反感を買い、石打ちのリンチで殺された。その際、彼の影響下にある人々が周辺各地に散らされたことが、キリスト教の世界伝道の布石となった。

佐竹 明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ステパノ」の意味・わかりやすい解説

ステパノ
Stephanos

エルサレム教会7人の執事の一人,キリスト教会最初の殉教者 (使徒行伝6・8~7・60) 。ギリシア語を用いるユダヤ人の弟子なかから選出され,やもめたちなどの世話のほか,宣教にも従事し力ある説教を行なったが,エルサレムの民衆長老,律法学者たちとその先祖を批判したため激しい反感を買い石打ちの刑を受けた。パウロはこの事件を目撃しており彼の処刑に同意していたとされる。

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