ヒエラポリス(その他表記)Hierapolis

デジタル大辞泉 「ヒエラポリス」の意味・読み・例文・類語

ヒエラポリス(Hierapolis)

トルコ南西部にあった古代都市。温泉保養地パムッカレの丘の上に位置する。紀元前2世紀、ペルガモン王国エウメネス2世により建設。古代ローマ時代の後1世紀から2世紀にかけて建造された円形劇場共同墓地公衆浴場などの遺跡がある。1988年、パムッカレとともに世界遺産複合遺産)に登録された。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヒエラポリス」の意味・わかりやすい解説

ヒエラポリス[トルコ]
Hierapolis

トルコ南西部,デニズリ県にあるフリュギアの古代都市。ラオディケアの遺跡の北方約 10kmに位置する。石灰棚で有名な古い温泉地としても知られる。台地斜面に沿って流れ出した温泉の石灰分によって階段状の白い石灰棚が広がり,岩肌を覆う結晶鍾乳石や氷結した滝のような景観をつくりだしている。古代から保養地として知られ,前2世紀後半,ペルガモン王国要塞が築かれてから本格的に繁栄。その後ローマの侵攻により都市は拡張され,アポロン神殿やローマ劇場,凱旋門をはじめ豪華な建物が次々に建てられ,保養都市として発達。しかし,その後たびたび襲った大地震で,建物のほとんどが倒壊し現存するものは少ない。中世に入り商業と綿紡績が盛んとなり,パムッカレ (綿の城) と呼ばれるようになった。 11世紀後半にアナトリア・セルジューク朝の侵攻により町は崩壊,さらに 1354年の大地震で廃虚となった。現在古代都市の発掘調査が行なわれている。 1988年世界遺産の文化遺産と自然遺産の複合遺産に登録。

ヒエラポリス[シリア]
Hierapolis

シリアのアレッポ北東 90kmにある遺跡。「聖都」を意味する。現メンビジュ。シリア語名マボグがなまって,ギリシア語でバンビュケと呼ばれた。セレウコス朝時代アンチオキアとチグリス河畔のセレウキアを結ぶ要衝。シリアの女神アタルガティス崇拝の中心地。ローマ帝国時代に最も繁栄したが,その後イスラム,十字軍時代に次第に衰退した。

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世界の観光地名がわかる事典 「ヒエラポリス」の解説

ヒエラポリス【ヒエラポリス】
Hierapolis

トルコ西部の観光地パムッカレにある、紀元前190年にペルガモンの王であったユーメネスII世によってつくられた、ローマ時代の古代都市。ローマ人は、ここにいくつかの公衆浴場を建設した。浴場はプール、競技場、庭園などの施設を兼ね備え、娯楽施設としての役割も果たした。◇展望台からは美しい石灰棚の景色を眺めることもでき、ヒエラポリスの城門の外側には、ネクロポリス(死者の町、墓所)があり、ヘレニズム、ローマ、ビザンチン時代の約1200の墓が残されている。

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