ピロリ菌(読み)ピロリキン

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百科事典マイペディア 「ピロリ菌」の意味・わかりやすい解説

ピロリ菌【ピロリきん】

消化性潰瘍(かいよう)発症に関係があるとして,1990年に発表された細菌(ヘリコバクター・ピロリ)。幼時に感染すると胃癌が発生しやすくなり,成人以降に感染すると十二指腸潰瘍になりやすいとされる。治療抗生物質が有効となる。日本では消化性潰瘍ストレス原因説が主流をしめていたが,1995年頃より,消化性潰瘍患者にこの菌を観察した報告が見られ,治療方針の変更が論じられるようになった。なお,ピロリ菌発見者のバリーマーシャルとロビン・ウォーレンに2005年ノーベル生理学・医学賞が授与された。
→関連項目胃潰瘍

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピロリ菌」の意味・わかりやすい解説

ピロリ菌
ピロリきん
Helicobacter pylori

胃潰瘍胃炎十二指腸潰瘍の原因とされる螺旋形菌。ヘリコバクター・ピロリともいう。体長は約 3μm。感染後,発病にいたるまでの仕組みについてはまだ究明されていないが,近年胃癌原因菌にもなっているとの説や,癌の成長を促進する働きをもつという説も出ている。

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知恵蔵 「ピロリ菌」の解説

ピロリ菌

胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の原因菌とみなされ、胃がんの原因ともなっている。感染後、どのように炎症や潰瘍が発生するのかは、よく分かっていない。ピロリ菌を殺す抗生物質を投与(除菌療法)し、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を治療する。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

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