ファルグ(読み)ふぁるぐ(英語表記)Léon-Paul Fargue

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ファルグ」の意味・わかりやすい解説

ファルグ
ふぁるぐ
Léon-Paul Fargue
(1876―1947)

フランスの詩人マラルメ弟子。世紀末都会派詩人の流れをくむ叙情詩人として、空想憂愁を湛(たた)えた自由詩や散文を書いた。ジッドバレリーらと親交を結んだが、いかなる文学運動にも加わらず、また、詩人の本分は孤高にあると主張した。近代都市の魅力を奇想を交えた才気あふれる筆致で歌い、シュルレアリストたちには先駆者の1人として愛読されるとともに、パリの生活情景を活写する優れた散文を発表した。おもな詩集や詩的散文集として『タンクレード』(1895)、『詩集』(1912)、『音楽のために』(1914)、『パリにならいて』(1932)、『パリの歩行者』Piéton de Paris(1939)、『太陽の昼食』(1942)、『幻燈(げんとう)』(1944)などがある。

[田中淳一]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ファルグ」の意味・わかりやすい解説

ファルグ
Fargue, Léon-Paul

[生]1876.3.4. パリ
[没]1947.11.24. パリ
フランスの詩人。バレリー,ジッド,ラルボーら多くの文学者交遊,『NRF』をはじめ多くの雑誌に関係した。おもな詩集に『タンクレード』 Tancrède (1911) ,『音楽のために』 Pour la musique (14) ,詩文集『パリの逍遙子』 Piéton de Paris (39) 。

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