フェドチェンコ氷河(読み)フェドチェンコひょうが(英語表記)Fedchenko lednik

改訂新版 世界大百科事典 「フェドチェンコ氷河」の意味・わかりやすい解説

フェドチェンコ氷河 (フェドチェンコひょうが)
Fedchenko lednik

中央アジアタジキスタン共和国に属し,パミール高原北東部にある山岳氷河。ヤズグレム山脈北斜面の標高6280mに始まり,レボリュツィア峰(6974m),科学アカデミー山脈の峰々から流下する氷河をあわせ,標高2900m程度のセリダル谷に終わり,セリダル川源流となる。長さ77kmは中央アジア第一の谷氷河である。氷河の最大幅2.6km,氷の厚さ最大1000m,平均流速67cm/年。上流部は1928年にソ連のパミール探検隊が発見した。標高4200mの氷河上に気象観測所がある。氷河名は探検家A.P.フェドチェンコ(1844-73)を記念する。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェドチェンコ氷河」の意味・わかりやすい解説

フェドチェンコ氷河
ふぇどちぇんこひょうが
Федченко ледник/Fedchenko lednik

タジキスタン共和国、パミール高原北東部にある世界最大の谷氷河。面積1350平方キロメートル。全長約77キロメートル。探検家フェドチェンコを記念して命名された。レボリュチヤ峰(6974メートル)の北面に発し、西側に連なるアカデミア山脈やコムニズム峰(7495メートル)などから多くの支流をあわせながら北流する。末端高度は約2900メートルで、アムダリヤ水系のムク・スー川に注ぐ。標高4200メートルの氷河上に気象観測所がある。

[小野有五]

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百科事典マイペディア 「フェドチェンコ氷河」の意味・わかりやすい解説

フェドチェンコ氷河【フェドチェンコひょうが】

中央アジア,タジキスタン共和国,ガルモ山(旧称コムニズム峰)をもつ科学アカデミー山脈東側にある氷河。旧ソ連最大で,長さ77km,氷の厚さ平均500m(最大で1000m),面積約900km2
→関連項目パミール高原

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェドチェンコ氷河」の意味・わかりやすい解説

フェドチェンコ氷河
フェドチェンコひょうが
lednik Fedchenko

タジキスタン東部,パミール高原にある氷河。同国最長の谷氷河で,全長 77km。面積 992km2。氷の厚さは 500mをこえる。レボリューツィヤ峰北西斜面の氷床から北へ向って流れ出し,1日平均 66.8cm前進する。融水はアムダリアの源流となる。

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