フェラーリ(読み)ふぇらーり(その他表記)Ferrari

共同通信ニュース用語解説 「フェラーリ」の解説

フェラーリ

高級スポーツカーを生産するイタリア自動車メーカー。故エンツォ・フェラーリ氏が1929年に創業し、47年に正式発足した。V型12気筒エンジンを搭載した「F12ベルリネッタ」や、オープンカーの「カリフォルニアT」などの車種がある。「テスタロッサ」などの名車も手掛けてきた。生産は年7千台規模に限られ、希少価値が高い。日本での販売価格(車両本体)は2450万~3730万円。2014年には世界で約7200台を売り、販売先の30%が米国で、日本は6%だった。(ニューヨーク共同)

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知恵蔵 「フェラーリ」の解説

フェラーリ

イタリアの自動車メーカーの会社名。または同社のモータースポーツ部門であるF1(FIA Formula One World Championship)コンストラクターの、スクーデリア・フェラーリ・マールボロチーム名の略称。なお、スクーデリア(Scuderia)とは、イタリア語で「馬小屋・厩舎(きゅうしゃ)」の意味で、そこから転じて、F1などの「チーム」の意として使われている。
自動車メーカーのフェラーリ社は、「跳ね馬」の紋章シンボルとし、市販量産車を製造するイタリアの企業。同国のランボルギーニ社と同じく、走行性能・価格ともにずば抜けた、いわゆるスーパーカーと呼ばれるスポーツタイプの自動車のみを生産する。アルファ・ロメオ社のレース部門のドライバーだったエンツォ・フェラーリ(1898~1988年)がレーシングチーム運営のために創立した会社スクーデリア・フェラーリをその母体とする。第2次世界大戦後、レーシングカーの自社開発を手がけ、その資金作りのためにレーシングカーの旧モデルを改装し販売したのが自動車メーカーとしての出発点である。経営難から後にイタリア最大の自動車メーカー、フィアット傘下に入り、従来と比べれば比較的安価な自動車もラインアップに加わった。これ以降、エンツォ自身は市販車部門からは身を引き、スクーデリア・フェラーリのみに専念した。2008年は販売台数6千587台(うち、日本は433台)、売上高19億2千100万ユーロ(約2千210億円)と過去最高、ROS(売上高利益率)も17.6%に達した。同年には、日本法人「フェラーリ・ジャパン」が設立されている。
スクーデリア・フェラーリは、自動車メーカーのフェラーリ社の出発点でもあり、現在もその一翼を担う。F1カーのシャシーとエンジンを製造するフル・コンストラクターの一つ。レーシングチームとしては、前述の通り自動車メーカーのフェラーリ社よりも歴史は古く、F1創設時から参戦し幾度も優勝するなど、自動車レースでの華やかな戦績を誇り、長年にわたり世界のモータースポーツ界に君臨してきた。現在はメーンスポンサーである米国のたばこの名を冠し、正式名称をスクーデリア・フェラーリ・マールボロという。
F1を主催する国際自動車連盟(FIA)は、F1マシン開発のコストを抑制するため、任意の予算制限であるバジェットキャップ制を2010年より導入するとした。制度に定める車両開発費などの上限を受け入れたチームについては、エンジン回転数などの規定が大幅に緩和される。フェラーリやトヨタ、レッドブルなど、巨額の費用を計上してきた大手チームは、レース条件を二重構造化するこのような制度は受け入れることができないとして、制度が導入されるならF1レースから撤退すると表明した。このため11年導入に向けて協議・調整が進められている。

(金谷俊秀 ライター / 2009年)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェラーリ」の意味・わかりやすい解説

フェラーリ
Ferrari, Enzo

[生]1898.2.18. イタリア,モデナ
[没]1988.8.14. モデナ
イタリアの実業家。高級スポーツカー・メーカー,フェラーリ社の創設者。大工の子として生れ,第1次世界大戦に従軍。戦後ミラノの自動車会社で試乗運転手として働く。 1920年にアルファ・ロメオ社のレース・ドライバーとなり,29年には同社でスクデリア・フェラーリという公式レーシング・チームを結成。 32年にレーサーを引退し,37年には初めて自らデザインしたレーシングカーを完成させる。 39年にフェラーリ社を創設し,46年にレーシングカー第1号車を製造。 50年代以降,その驚異的な速さと手作りの品質で一躍有名になり,F1グランプリレースで数多くの優勝と最優秀製造者賞を獲得した。また,同社の高級スポーツカーもそのスピードと高い操作性で好評を博した。 69年には同社の株式の 50%をフィアット社に売却し,77年フェラーリ社社長を引退。その後は,88年までフェラーリ・レーシングチームの監督として指揮をとり続けた。

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百科事典マイペディア 「フェラーリ」の意味・わかりやすい解説

フェラーリ

イタリアのフェラーリ自動車会社の製造する自動車。生産量は少ないが,強力なエンジン,豪華な装備の高性能スポーツカーとして有名。ドイツ,イギリス,日本など40ヵ国で販売され,1997年の販売数は3581台。
→関連項目フィアット[会社]

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367日誕生日大事典 「フェラーリ」の解説

フェラーリ

生年月日:1811年3月7日
イタリアの哲学者,政治家
1876年没

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フェラーリ」の意味・わかりやすい解説

フェラーリ
ふぇらーり

フェッラーリ

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のフェラーリの言及

【フィアット[会社]】より

…第2次大戦後はとくに60年代後半から,自動車メーカーおよび自動車関連メーカーの吸収合併により事業を拡大した。68年にアウトビアンキ社Autobianchi S.p.A.,69年にランチア社Lancia S.p.A.,フェラーリ社Ferrari S.p.A.を買収し,イタリアの自動車生産における独占的地位を固めた。海外進出は,原則として資本進出をせずにライセンス供与の形で行ってきた。…

※「フェラーリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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