フェルミ共鳴(読み)フェルミキョウメイ

化学辞典 第2版 「フェルミ共鳴」の解説

フェルミ共鳴
フェルミキョウメイ
Fermi resonance

分子振動結合音倍音に相当するエネルギー準位ほか振動準位ときわめて接近し,いわゆる偶然縮退を起こしている場合には,分子力場の非調和項によってそれらの準位が大きく乱され,偶然縮退が破れて分裂を生じる.この現象はE. Fermi(フェルミ)により,CO2分子の振動スペクトルにみられる異常の原因として指摘されたので,フェルミ共鳴とよばれている.その結果として,振動スペクトルにおける振動数や強度に異常が現れるほか,回転スペクトルにおいても振動回転定数の異常として観測される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「フェルミ共鳴」の解説

フェルミ共鳴【Fermi resonance】

多原子分子中の零次近似でほぼ等しいエネルギーを有する二つの振動準位間の相互作用のこと.この二つの準位は互いに反発し,二つの状態固有関数は混じりあう.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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