ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
フリードリヒ・ウィルヘルム2世
フリードリヒ・ウィルヘルムにせい
Friedrich Wilhelm II
[没]1797.11.16. ポツダム
プロシア王 (在位 1786~97) 。伯父フリードリヒ2世 (大王)の跡を継いだが,前王とは対照的に,芸術,快楽を追求し,軍事,政治を顧みなかったため,国政は佞臣に左右された。宗教大臣 J.ウェルナーのもとに 1788年宗教令を発して,カトリックやユダヤ人への寛容を宣する一方,ルター主義の国教会制を強化し,フランス革命後は啓蒙思想への弾圧を強化した。外交面では,オーストリアとともに,91年ピルニッツ宣言を行なったが,92年バルミーの戦いに敗れ,95年バーゼルでフランスと単独講和を結んだ。また第2,3次ポーランド分割に参加して,領土は拡張したが,内治外交ともに不振で,プロシア王国崩壊の因をつくった。しかし彼の治世にはプロシア文化のめざましい躍進がみられ,ベルリンでは音楽と演劇が盛んとなり,ケーニヒスベルク大学では,カントが哲学を講じていた。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報