フルオレン(読み)ふるおれん(英語表記)fluorene

世界大百科事典 第2版「フルオレン」の解説

フルオレン【fluorene】

芳香族炭化水素の一つ。無色の光沢のある板状結晶。通常不純物のため蛍光があり,とくにそのアルコール溶液は弱い紫色の蛍光を発する。フルオレンの名はこの蛍光fluorescenceに由来する。融点116~117℃,沸点293~295℃。水に不溶,エーテルベンゼンなどに可溶。コールタール高沸点留分(~300℃)中に存在し,蒸留により分離する。酸化すると容易にフルオレノンが得られる。染料製造の中間体として用いられる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)「フルオレン」の解説

フルオレン
ふるおれん
fluorene

縮合芳香族化合物の一つ。強い紫色の蛍光を発する白色板状結晶。コールタール中に存在し、蒸留により分離、精製される。9位のメチレン基-CH2-は反応性が大きく、塩基の存在下、アルデヒド類やカルボン酸エステル類と縮合して、エチリデン誘導体や9位のケトン誘導体を生成する。染料、薬品合成の原料となるほか、酸化してフルオレノンを製造する。

[向井利夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版「フルオレン」の解説

フルオレン
フルオレン
fluorene

2,3-benzindene.C13H10(166.22).コールタールの高沸点留分中にかなりの量存在し,蒸留により分離するか,ジフェニルメタンを赤熱した鉄管中を通じても得られる.小板状晶.融点116 ℃,沸点298 ℃.不純なものは紫色の蛍光をもつ.エタノール,エーテル,ベンゼンなどに可溶.酸化すると9-フルオレノンが得られる.染料,薬品の製造中間体.[CAS 86-73-7]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報