ポルトガル北西部の都市ギマランイス(Guimarães)の旧市街(歴史地区)にある、かつてのブラガンサ公爵の居館。現在は政府の公館として国賓などの接待に用いられているが、見学が可能である。ポルトガル王ジョアン1世の息子で、初代ブラガンサ公爵になったドン・アフォンソが15世紀の初めに築いた。カシとクリの木を用いた天井の大広間やレンガの煙突がある建物である。ゴブラン織やペルシャ絨毯(じゅうたん)などのカーペット、絵画や家具、調度品など、中世ポルトガルの貴族の生活を知ることができる。ギマランイスは、ポルトガル王国のブルゴーニュ王朝を建国して初代のポルトガル王となったアフォンソ・エンリケス(Afonso Henriques、1110~1185年、アフォンソ1世)の生誕の地であり、1143年に同王朝が成立した都市である。◇ブラガンサ公爵館に隣接して10世紀に建設されたギマランイス城(pt:Castelo de Guimarães)が建っているが、ここでアフォンソ1世は誕生した。ブラガンサ公爵館と城の間に12世紀に建てられた、ロマネスク様式のサンミゲル教会(pt:Igreja de São Miguel do Castelo)が建っている。この教会はアフォンソ1世が洗礼を受けた教会である。これらの建物があるギマランイス旧市街は、「ギマランイス歴史地区」として世界遺産に登録されている。