ブラッグ(Sir William Lawrence Bragg)(読み)ぶらっぐ(英語表記)Sir William Lawrence Bragg

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ブラッグ(Sir William Lawrence Bragg)
ぶらっぐ
Sir William Lawrence Bragg
(1890―1971)

イギリスの物理学者。W・H・ブラッグ長男で、オーストラリアアデレードに生まれる。同地の大学に入学したが、1909年父の転任に伴ってイギリスに渡り、ケンブリッジのトリニティ・カレッジに入った。1912年卒業してすぐにラウエ結晶によるX線回折論文に接し、その解析方法に疑問をもち、「ブラッグの法則」を導いた。引き続いて父とともにアルカリハライド結晶を手始めとしてX線による定量的な結晶構造解析の手法を確立し、1915年父とともにノーベル物理学賞を受賞。以後ケイ素化合物合金生体物質などの解析に次々と取り組み、化学や鉱物学など多くの分野に貢献した。1919年マンチェスター大学教授、1937年国立物理学研究所長、1938年キャベンディッシュ研究所長を歴任、1954年から1966年まで王立研究所長を務めた。

[川合葉子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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