ヘミセルロース

デジタル大辞泉 「ヘミセルロース」の意味・読み・例文・類語

ヘミセルロース(hemicellulose)

多糖類一種植物繊維から抽出される。セルロースと構造上の関係はない。擬繊維素

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

化学辞典 第2版 「ヘミセルロース」の解説

ヘミセルロース
ヘミセルロース
hemicellulose

木材穀物,草類,シダ,裸子植物など陸生植物の細胞壁構成成分で,セルロースペクチンを除く水不溶性の多糖区分の総称.1種類の単糖からなるホモ多糖類として,D-キシランD-マンナン,D-ガラクタンがある.2種類あるいはそれ以上の単糖類から構成されるヘテロ多糖類が多く,マンノース,ガラクトース,キシロース,アラビノースグルクロン酸などが含まれる.一般に,構造は枝分れが多く複雑である.植物組織に亜クロム酸H3CrO3を加えて,75 ℃ で処理してリグニンを除いてホロセルロースを得る.10% アルカリ溶液を加えて抽出中和して,ヘミセルロースA区分を得る.エタノール沈殿による酸性多糖としてヘミセルロースB区分を得る.アルカリ性銅溶液による沈殿,アルコールによる分別沈殿によって精製する.アルコール発酵や酵母の製造に利用される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

栄養・生化学辞典 「ヘミセルロース」の解説

ヘミセルロース

 植物細胞壁の成分で,アルカリで抽出できる多糖で,主たる物質はキシランであるが,他の多糖も抽出されうる.セルロースは溶けないので,含まれない.研究者によって定義に多少異同がある.

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘミセルロース」の意味・わかりやすい解説

ヘミセルロース
hemicellulose

植物中にセルロースとともに存在する多糖類をいう。アルカリ水溶液に可溶。酸で分解すると単糖類を生じる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘミセルロースの言及

【セルロース】より

…γ‐セルロースは,β‐セルロースの沈殿後も溶解している多糖であり,キシラン(キシロースの重合体),マンナン,アラビナン,ウロン酸(カルボキシル基をもつ多糖)などからできている。β‐セルロースとγ‐セルロースを合わせてヘミセルロースと呼ぶ。ホロセルロースは,木材やわらなどセルロースを含む物質から,炭水化物以外の物質を除いた残りをいい,セルロースとヘミセルロースを合わせたものである。…

※「ヘミセルロース」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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