日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘルベルト」の意味・わかりやすい解説
ヘルベルト
へるべると
Zbigniew Herbert
(1924―1998)
ポーランド戦後派を代表する詩人。ウクライナのリボフ(現、リビウ)に生まれる。ナチス占領中は国内軍(AK)の一兵士として戦い、1948年に詩人としてデビューした。現代の思想的、道徳的な問題を取り上げながら、ヨーロッパの古典的伝統に連なる内省的な叙情詩が多く、最初の詩集として出版されたのは、1956年の『光の弦(つる)』で、以後『ヘルメス、犬、星』(1957)をはじめ自選詩集が1971、1973、1983年に出された。ほかに『戯曲集』(1973)やフランス、イタリア旅行の美学的エッセイ集『庭園の野蛮人』(1962)などもある。
[吉上昭三・長谷見一雄]
『篠田一士編、工藤幸雄ほか訳『世界の文学37 現代詩集』『世界の文学38 現代評論集』(1978、79・集英社)』