リビウ(読み)りびう(英語表記)Львiв/L'viv

デジタル大辞泉 「リビウ」の意味・読み・例文・類語

リビウ(L'viv/Львів)

ウクライナ西部、リビウ州工業都市。同州の州都。ガリチア地方の商都として発達。機械・食品工業が盛ん。旧市街にはゴシック様式やバロック様式の聖堂などが多く見られ、1998年「リビウ歴史地区」の名で世界遺産文化遺産)に登録された。2023年より危機遺産。ロシア語名リボフポーランド語名ルブフ、ドイツ語名レンベルク。

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共同通信ニュース用語解説 「リビウ」の解説

リビウ

ウクライナ西部の主要都市で、中世以来発展した古都。ポーランドやオーストリアなどの支配下に置かれた歴史を持つ。1918年にオーストリア・ハンガリー帝国が崩壊した際、短期間存在した「西ウクライナ人民共和国」の首都になった。39年にソ連領となったが、第2次大戦中にはナチス・ドイツ占領。ウクライナ民族主義の中心地として知られ、住民のほとんどはウクライナ語母語。ロシア語話者は少ない。美しい町並みは世界遺産に指定されている。(共同)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リビウ」の意味・わかりやすい解説

リビウ
りびう
Львiв/L'viv

ウクライナ西部、リビウ州の州都。リヴィウともいう。ロシア語ではリボフ、ポーランド語名ルブフLwów、ドイツ語名レンベルクLemberg。人口73万3000(2001)、72万0105(2018推計)。カルパティア山脈の北麓(ほくろく)、ブーフ(南ブク)川とドニステール(ドニエストル)川の分水界である丘に位置し、鉄道ハイウェーの集中する交通要地。工業都市でもあり、バス、トラック、コンベヤー、農業機械、テレビ受像機、医療機器、医薬品、石油化学、食品などの工場がある。ウクライナ西部の文化的中心地で、科学アカデミー支部や17世紀創立の総合大学を含め、九つの高等教育・研究施設、10の博物館、四つの劇場などが置かれている。年代記には1256年に初めて都市名が記される。ガリチ公ダニイルが建設した都市で、その息子の名リフが市名となったとされる。ガリツィア地方の中心都市で、1349年以降はポーランド領となり、同国の支配を長く受けるが、1370~1387年の短期間はハンガリー領であった。1772年からはオーストリア・ハプスブルク家の領土に編入された。第一次世界大戦後の1919年ポーランド領に復するが、1939年ソ連が併合し、1991年ソ連崩壊後はウクライナ領。司教座教会をはじめとする多くの寺院など、歴史的建造物が残る。これらのある歴史地区は1998年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。

[渡辺一夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「リビウ」の意味・わかりやすい解説

リビウ
Lviv

ウクライナ西部,リビウ州の州都。ポーランド語名ルウフ Lwów,ドイツ語名レンベルク Lemberg,ロシア語名リボフ Lvov。ポーランドとの国境から約 60km,ロズトッチャ高原上に位置する。1256年ガリチア公ダニール・ロマノビッチが建設し,以降ガリチア地方の中心都市として繁栄した。カルパート山脈北麓を通る東西路,およびカルパートの峠を越えて南のハンガリー平原へ達する南北路の交差する交通の要衝にあたり,幾度も戦場となった。1340~1772年はポーランド領,その後オーストリア領,1919年再びポーランド領となったが,1939年9月にはモロトフ=リッベントロップ協定(独ソ不可侵条約)によりソビエト連邦軍が進駐,第2次世界大戦ではドイツ軍に占領され,1945~91年ソ連領。西ウクライナの工業中心地で,バス,フォークリフト,農業機械,テレビ,コンベヤ,製油,ガラス,織物,食品,家具,塗料,化粧品などの工業がある。ウクライナ文化を継承し,リビウ大学(1661)をはじめ,多くの高等教育・研究機関,オペラ劇場,博物館などがある。13~18世紀の建築記念物が多数現存する旧市街は,1998年世界遺産の文化遺産に登録。鉄道,ハイウェーの分岐点で,空港もある。人口 73万3728(2005推計)。

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