ヘロディアノス(その他表記)Hērōdianos

改訂新版 世界大百科事典 「ヘロディアノス」の意味・わかりやすい解説

ヘロディアノス
Hērōdianos

2世紀後半にローマで活躍した,アレクサンドリア出身の古代ギリシアの文法学者。生没年不詳。アポロニオス・デュスコロス息子。アリスタルコスを頂点とするアレクサンドリア学派の文法研究の成果を総括した20巻から成る大著を著し,古代ギリシア語アクセント規則と音節長短を詳細に論じた。この大著そのものは残っていないが,後世抜粋摘要によってその内容の一部は現在まで伝えられている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘロディアノス」の意味・わかりやすい解説

ヘロディアノス
Hērōdianos, Ailios

2世紀後半のギリシアの文法学者。アレクサンドリア出身。アポロニオス・デュスコロスの子。ギリシア語のアクセントを,約6万語について研究した『アクセント大全』 Katholikē Prosōidia (21巻) の著者。彼の所説はビザンチン時代の文法家によって継承され,今日もなお踏襲されている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のヘロディアノスの言及

【プリスキアヌス】より

…それまでの文法書が取りあげなかった構文論に2巻を割いているのが大きな特徴である。本の構成および記述はアポロニオス・デュスコロスとその息子ヘロディアノスの共著《ギリシア語文法論》に多くを負っている。キケロ,ウェルギリウス,ホラティウスら古典期の作家の文例を豊富に収録し,中世を通じて広範囲にわたって利用された。…

※「ヘロディアノス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android