日本大百科全書(ニッポニカ) 「アレクサンドリア学派」の意味・わかりやすい解説
アレクサンドリア学派
あれくさんどりあがくは
古代の大都市アレクサンドリアを中心とするキリスト教神学の一派。3~5世紀に栄えた。前半の3世紀には、その創始者クレメンスや、その弟子オリゲネスが著名である。最古の神学校といわれる「アレクサンドリア教校」も彼らによって創設された。その神学的特徴は、ヘレニズム的ユダヤ教や新プラトン主義を受容しながら、信仰と理性の調和、統合を目ざし、聖書解釈においては比喩(ひゆ)的解釈法が特色。後半の4~5世紀は、アタナシウス、アポリナリオス、キリロスなどに代表され、思想的基盤を同じくしながらも、前半が護教的、哲学的であるのに比べ、教権的、正統主義的特徴を有しており、時代の推移を示している。
[菊地栄三]