ベリー類(読み)ベリーるい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベリー類」の意味・わかりやすい解説

ベリー類
ベリーるい

植物学用語として berryは漿果と訳され,トマト,キュウリなどが含まれるが,分類学的にはまったく無縁な別植物でありながら,食用になる小さな球形の多肉果をつけることで,「…ベリー」と呼ばれる植物がある。バラ科のストロベリーブラックベリーラズベリー (→イチゴ〈苺〉 , キイチゴ〈木苺〉。これらの果実は集合果) ,ユキノシタ科のグーズベリー (→スグリ〈酸塊〉 ) ,ツツジ科のクランベリー (→ツルコケモモ〈蔓苔桃〉 ) ,ブルーベリーなどがそれである。ブルーベリーは,狭義にはハイブッシュベリー (ヌマスギ) Vaccinium corymbosumをさすが,ヨーロッパ産のビルベリー V. myrtillusや日本産のアサマブドウ (クロマメノキ) V. uliginosaなども,北アメリカ原産のローブルベリー V. pennsylvanicumなど二十数種と一緒に広義のブルーベリーとされる。果実は,いずれも,果汁に富んで甘くやや酸味を帯び,生食されるほか,ジュース,ジャム,缶詰にもされる。品種の分化はまだ低い。日本での栽培は,北海道・東北地方に適する。

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