改訂新版 世界大百科事典 「ペルゴレーシ」の意味・わかりやすい解説
ペルゴレーシ
Giovanni Battista Pergolesi
生没年:1710-36
バロック時代のイタリア人作曲家。今日ではナポリ派オペラの全盛期を代表する作曲家の一人として数えられているが,生来病弱で26歳の若さで世を去ったため,死後に名声が高まり評価が定まった。作品数は当時の作曲家として多いとはいえず,彼の作といわれる作品にも疑わしいものが多い。代表作にはインテルメッツォ《奥様になった女中La serva padrona》(1733)と宗教歌曲《スタバト・マーテル》(1736)がある。オペラ・セリア《尊大な囚人》のこっけいな幕間狂言として作曲された《奥様になった女中》は,大好評を博したために独立した作品として上演されるようになり,オペラ・ブッファの初期の例となった。また1752年のパリ公演後,この作品を支持する派と反対派が王妃派と国王派に分かれて,〈ブフォン論争〉として知られるイタリア・オペラかフランス・オペラかの論争を54年まで繰り広げた。
執筆者:岸本 宏子
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